朝乃山2連勝 大相撲初場所2日目

千代栄を突き出しで破った朝乃山=両国国技館(椎名哲平撮影)

 大相撲初場所2日目は9日、東京・両国国技館であり、元大関で西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=は、東十両11枚目の千代栄(ちよさかえ)(32)=京都府出身、九重部屋=を突き出しで難なく下し、初日から2連勝とした。

 朝乃山はかち上げで相手の体を起こすと、3度の突きで土俵の外に追いやり、初顔の相手に何もさせなかった。取組後のリモート取材で「前に出る相撲を取れた」と淡々と語った。

 3日目は、十両優勝経験者で西十両14枚目の白鷹山(はくようざん)(27)=山形県出身、高田川部屋=と戦う。先場所の九州場所では幕下同士で対戦し、朝乃山が寄り切りで完勝した。

■「良い緊張感」  元大関の地力を見せつけた。朝乃山は押しを得意とする千代栄を相手にせず、身上とする前に出る相撲で立ち合いから圧倒。初日とは打って変わって力強い取り口を見せ、「良い緊張感で土俵に立てている」とうなずいた。

 呼び込んでから突き落としで相手を下した初日の内容を反省し、「前に出る相撲を取るという気持ちで土俵に上がった」。一度は立ち合い不成立となったが焦りは見せず、右のかち上げから一気に突き出した。「突き落としを警戒しながらしっかり反応できた」

 関取として初日からの2連勝は、大関に昇進してから初めて土俵に上がった2020年7月の名古屋場所以来。2日目にして、既に今場所の十両では「誰が朝乃山に土をつけるか」に関心が集まっている。

 それでも「1、2年前は過去のこと。振り返らずに進むだけ」と慢心はない。

 高砂親方からも取組直後に「少し硬かった。自分の相撲を取り切れ」と、さらなる高みを目指すよう指導を受けたという。元大関として、朝乃山らしい堂々とした相撲で連勝街道をひた走りたい。(岸弦太)

■富豊、常川、霧乃華が白星発進  東三段目3枚目の富豊(高岡市出身、時津風部屋)、西三段目56枚目の常川(南砺市出身、荒汐部屋)、東序二段89枚目の霧乃華は白星発進した。東三段目43枚目の坂林(高岡市出身、尾上部屋)は敗れ、黒星スタートとなった。

千代栄を勢いよく攻める朝乃山(右)
千代栄を突き出しで下す朝乃山(右)
集中した表情で取り組みを待った
千代栄を下し勝ち名乗りを受ける朝乃山
取り組み後、ほっとした表情を見せた
土俵入りで上を見上げる朝乃山(手前)

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