薬物、アルコール、ギャンブル…依存症回復支援の充実へ 「長崎ダルク」佐世保に相談室

ぬいぐるみを置いたソファなどが並び、落ち着いた雰囲気の相談室。中川さん(中央)は「気軽に訪ねてほしい」と呼びかけている=佐世保市、長崎ダルク・させぼ相談室

 薬物・アルコール・ギャンブルなどの依存症の当事者らを支援する「長崎ダルク・させぼ相談室」が佐世保市に開設され、当事者らが体験や思いを語り合う「依存症ミーティングルーム」を始めた。県北地区には依存症専門医療機関がなく、関係者は同相談室開設により、県北地区での支援の充実を目指す。
 県内には、依存症当事者に専門的な医療を提供する「依存症専門医療機関」が4施設あるが、三つが長崎市に集中し、県北地区にはない。県は居住地に関係なく支援が受けられるよう、NPO法人ちゅーりっぷ会「長崎ダルク」に県北地域依存症支援体制整備事業を委託し、同相談室を昨年7月、開設した。
 長崎ダルクは1999年に設立。長崎市内で、依存症の当事者が共同生活をしながら回復を目指す「回復支援施設」を運営している。県北など遠方からの利用者も多く、佐世保市での相談室開設を検討していた。県と長崎ダルクの意向が一致し、県は同法人のノウハウや専門知識を生かそうと委託を決めた。
 相談室には同法人のスタッフ2人が在駐し、個別相談に応じるほか、必要に応じて相談者を医療機関などに紹介する。12月からは「依存症ミーティングルーム」を開始。参加者を、当事者と家族に分けて開いている。
 同法人によると、佐世保市には当事者が集まり支援し合う「自助グループ」も少ないという。相談室開設をきっかけに、佐世保での支援活動を広める狙いもある。同法人代表の中川賀雅さん(52)は「『どうしていいか分からない』と思った時は、気軽に訪ねてほしい」と呼びかけている。
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 相談室は同市天満町の県北振興局天満庁舎5階。開所日は月~水曜日の午前10時~午後5時。場合によって開所日以外でも対応する。要予約。相談無料。「依存症ミーティングルーム」は▽当事者=毎週第1、3火曜日の午後7時~8時▽家族=毎月第1、3月曜日の午後7時~8時-に開く。問い合わせはさせぼ相談室(電0956.59.7822)、メール(sasebosoudan@gmail.com)。


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