【えほんのとびら】 No.237「ゆきのひのうさこちゃん」

福音館書店
文・絵:ディック・ブルーナ
訳:石井 桃子

 うさこちゃんが目をさますと、窓の外は一面の雪景色。そこですぐに身仕度を整え、あそびに出かけていきました。

 まずは坂の上からそりすべり。お次はスケート。大きなゆきだるまを作ったりと、雪の日はおもしろいことがいっぱいです。

 ところが、雪の中でことりが泣いているではありませんか。ことりは寒いのが苦手なのです。

 そこでうさこちゃんは、おうちをつくってあげることにしました。ことりはそのおうちが気に入って、かわいい歌をうたいます。

 夜、うさこちゃんは、窓の外を見ていいました。「ちいさな とりさん おやすみなさい。あした またいっしょに あそびましょ」

 オランダ生まれの「うさこちゃん」絵本シリーズは世界40言語以上に翻訳されており、日本でも一九六四年に第一作が刊行されました。

 つぶらな瞳のうさこちゃんがくりひろげるおはなしは、国境を越え時代を越えて、読む人の心にあたたかさを届けてくれます。

 いつまでも大切に読み継いでいきたい作品です。

ぶどうの木代表 中村 佳恵

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