「昇格成し遂げたい」J1福岡からV長崎復帰のフアンマ 強いフィジカルで起点に

5年ぶりにV長崎へ戻り、活躍が期待されるフアンマ=諫早市サッカー場

 J1福岡からフアンマ・デルガドが5年ぶりにV長崎へ完全移籍で復帰した。「この日が待ち遠しかった。長崎に戻ってこられてうれしい」。チームのJ1昇格を知るスペイン人が、再び青とオレンジのユニホームに袖を通す。
 当時の高木琢也監督や竹村栄哉強化部長がスペインまで足を運び、獲得した188センチ、90キロの大型FW。2017年の加入1年目から主力として活躍し、32試合で11得点を挙げた。得点力以上に高さを生かしたプレーや前線から献身的な守備でクラブ史上初のJ1昇格に大きく貢献した。
 その後、長崎を離れた先でもチームの中核を担い、20年に当時J2だった福岡で再度J1昇格の立役者となった。トップレベルの中でも出場を続け、通用することを証明した。
 昨季の終了後、カリーレ監督が福岡の試合を視察した。「得点を決めた、あの9番(フアンマ)のプレーが素晴らしい」とフロントに獲得を打診。フアンマも「また自分を必要としてくれて(テクニカルダイレクターの)竹村さんが連絡をしてくれたことが大きかった。妻も以前から長崎を気に入っている」。悩むことなく移籍を決めた。
 昨季のJ1で敵陣空中戦勝率はリーグ2位と圧倒的な強さを誇る。ビルドアップで苦しんだV長崎にとって、前線でボールの収まりどころがあれば攻撃の幅も広がる。「FWとして(自己最多)15点は決めたい。そしてV長崎で再び昇格を成し遂げたい」
 ベテランの域に入り始めた32歳の背番号は前回のV長崎在籍時と同じ「9」。成長と経験を重ね、以前よりさらに力強さを増した。胸を高鳴らせ、トラスタのピッチに立つ。


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