ポンカンの収穫始まる 「木熟」で高糖度

収穫が始まっているJA紀南の「木熟ポンカン」(和歌山県田辺市上秋津で)

 JA紀南管内の和歌山県田辺市で、実を木にならせたまま熟させた「木熟ポンカン」の収穫が始まった。2月下旬ごろまで続く。

 他産地は年末までの収穫が多いが、同JAでは、年明けから収穫し、葉付きの「木熟ポンカン」として出荷するのが特徴という。

 関東や京阪神の市場に出荷しており、平均市場価格は主力の秀品2L、Lサイズで1キロ当たり500円前後と平年並み。

 同市上秋津の杉若将弥さん(29)は約70アールで栽培し、4日から家族やアルバイトの人たちと収穫を始めた。収穫後は、倉庫で選果作業をし、品質や大きさで分けて、葉の数を整えて出荷する。軸で実に傷を付けないよう一つ一つ丁寧に扱って作業している。

 杉若さんによると、昨年11月後半に気温が高かったり雨が降ったりした影響で傷みが出た部分もあるが、全体的に品質は良いといい「香りが良いし、糖度が高く、程よい酸味があって食べやすいので、皆さんにぜひ食べていただきたい」と話す。

 同JA管内ではポンカンは上秋津を中心に、同市の稲成や芳養、三栖地区など計34ヘクタールで栽培されており、今年の生産量を374トン(前年比103%)と見込んでいる。

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