パーキンソン病 最新治療法を紹介 「友の会」が講演

全国パーキンソン病友の会県支部が主催した医療講演会

 全国パーキンソン病友の会宮崎県支部(甲斐敦史支部長、70人)主催の医療講演会は9日、宮崎市民文化ホールであった。患者や家族、医療従事者ら105人が、遺伝子治療や初発症状に関する学説などに耳を傾けた。
 「遺伝子治療研究所」(川崎市)の手嶋剛研究開発部長は、既存治療薬の効果を高める遺伝子治療について紹介。症状改善につながる酵素をつくる遺伝子を脳細胞に注入する治療法の治験が進んでいることに触れ、「安全性が高く、効果が数年持続する治療法。薬が効いていない状態での運動機能改善も期待される」と話した。
 京都府立医科大大学院の内藤裕二教授は、腸内細菌と病気の関連性について解説。パーキンソン病と診断される前から、慢性便秘や嗅覚・睡眠障害を訴える患者が多いとのデータを示し、「『パーキンソン病の原因は腸にある』という視点にも注目し、早期発見につなげて」と呼びかけた。
 同支部は会費やクラウドファンディングで約60万円の開催費用を集め、3年ぶりに無料の講演会を開いた。

© 株式会社宮崎日日新聞社