ヒョンデ、2023年仕様のi20 Nラリー1を発表。WRC参戦10年目のシーズンにWタイトル獲得狙う

 1月10日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているヒョンデ・モータースポーツは、今月19日にモンテカルロで開幕する新シーズンに向け、2023年仕様のヒョンデi20 Nラリー1を発表。あわせて新しいマシンカラーリングを披露した。

 ヒョンデ・シェル・モビスWRTとしてWRCの最高峰クラスに参戦し、TOYOTA GAZOO Racing WRTとMスポーツ・フォードWRTを相手にバトルを繰り広げているヒョンデ。この韓国車メーカーは今季2023年でシリーズ参戦10年目を迎え、その節目でのマニュファクチャラータイトル奪還とドライバー選手権制覇を加えたダブルタイトルの獲得に照準を合わせている。

 ヒョンデは昨季の2022年、最終戦ラリージャパンでのワン・ツー・フィニッシュを含めシーズン後半戦に4勝をマーク。年間計5勝と1シーズンの最多優勝回数を記録した。チームはこの勢いを維持したまま新しいシーズンを開始するべく、準備を整えている最中だ。

 既報のとおり、2023年のヒョンデのドライバーラインアップはオット・タナクが離脱するなか、トヨタからエサペッカ・ラッピが加入し、Mスポーツ・フォードからはクレイグ・ブリーンが古巣復帰を果たしている。この両名がエースのティエリー・ヌービルとベテランドライバーのダニ・ソルドと合流し、ラリー1規定を採用した“ハイブリッド時代”2年目のWRCを戦っていく。なお、ソルドとブリーンは3台目のマシンをシェアする予定だ。

 昨年1月のデビュー以来、ヒョンデi20 Nラリー1のパッケージを精力的に開発しマシンの改良を重ねてきたヒョンデ・モータースポーツ。この組織の社長であるショーン・キム氏は、「2022年はチームにとって、もっともチャレンジングな年であったと同時に、もっともやりがいのある年でもあった」と述べた。

「新しいテクニカル・レギュレーションに対応し、初のハイブリッドラリーカーを製作することは簡単なことではなかった。その結果、後半戦は厳しいスタートとなった。しかし、我々はそこから立ち上がってトップパフォーマンスを発揮し、最高のかたちでシーズンを終えることができた」

「2023年は、2022年にスタートしたチャプターの続きになると考えている。ヒョンデi20 Nラリー1ハイブリッドには競争力のあるパッケージがあり、タイトル争いに飢えているクルーのラインアップ、さらに舞台裏ではシーズンから次のシーズンに向けて勢いを維持するための熱心なチームが揃っているんだ」

2023年仕様のヒョンデi20 Nラリー1(フロント)
2023年仕様のヒョンデi20 Nラリー1(リヤ)
2023年仕様のヒョンデi20 Nラリー1(サイド)
ラリー1規定2年目のシーズンとなる2023年のWRC世界ラリー選手権に投入されるヒョンデi20 Nラリー1
【比較用】ヒョンデi20 Nラリー1 2022年ローンチ仕様

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