「バス空白地域」で乗り合いタクシー実証実験 鳴滝で3月末まで 長崎市とCTC

乗り合いタクシー実証実験の時刻表

 長崎市と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC、東京)は、市内で路線バスの運行がない地域への予約制乗り合いタクシーの導入に向けた実証実験を開始する。16日から3月31日までの平日に鳴滝地区を対象に実施。決められたダイヤから事前予約を受けて運行するオンデマンド型で、持続可能な移動手段の構築を目指す。
 市は、道路が狭いなどの理由でバスが通行できず、最寄りのバス停から300メートル以上離れているエリアを「バス空白地域」と設定。市公共交通対策室によると、市内に計37地域あり、地域公共交通計画などで解消を目指している。
 人口規模や輸送距離、需要などを総合的に判断し鳴滝地区を実証実験のエリアに選んだ。鳴滝3丁目にある「Uターン場所」と、買い物や通院、路線バス・路面電車への乗り換えに利用しやすい新大工町商店街付近を片道5~8分で結ぶ。停留所は上り8カ所、下り9カ所。下り3便、上り5便を決まった時刻に運行する。
 利用者は、各便始発時刻の30分前までに、スマートフォンの専用アプリやLINE、電話で予約する。定員4人で1便につき1台運行。予約がなければ運行しない。運賃は大人400円、小学生以下200円。
 CTCは全国の自治体と協力し、デジタル技術を活用した地方公共交通の維持、活性化を支援。長崎市は5例目で、スマホを使った予約システムの提供やデータ分析で協力する。乗り合いタクシーの運行は愛宕交通が請け負う。実証実験で利用状況や利用者アンケート、他の公共交通への影響などを分析し、実際の運行を検討する。
 10日から予約の受け付けを開始している。(電0120.863.025)


© 株式会社長崎新聞社