FIA会長、F1参戦チームの増加に前向きな姿勢「F1の持続可能性を考えるなら、他ブランドに解放すべき」

 FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、アンドレッティとキャデラックのF1参入計画に反対しているF1関係者たちにふたたび反応し、将来F1の参戦チームをを12チームまで拡大しないでいる「理由はない」と主張した。

 先週FIAは、キャデラックの名をF1にもたらすことを目的としたアンドレッティとゼネラルモーターズの共同事業を歓迎した。ビン・スライエムは、アメリカ最大の自動車メーカーの関心と関与は「特に喜ばしいことだ」と述べた。

アンドレッティ・キャデラックがF1参戦の意向を表明

 しかしながら、このニュースに対するF1の反応は非常に消極的だ。F1は発表した声明のなかでアンドレッティとキャデラックの名を公然と無視し、行うべき手続きに焦点を当てた。また、エントリー候補者は今も信頼性を証明する必要があると示唆した。

 ビン・スライエムは後にツイッターで、具体的に名指しをすることはせずに、アンドレッティ-キャディラックの発表に対する「否定的な反応」について触れた。

また月曜日にサウジアラビアで開催中のダカールラリーを訪れたビン・スライエムは、F1の競技フィールドを拡大するという注目の話題について話をした。

「全体としてF1の持続可能性を考えるのなら、他のブランドにF1を解放しなければならない。12チームまでグリッドに迎えることができるだろう」とビン・スライエムは語った。

「OEM、つまりマニュファクチャラーはF1をより良いものにする助けとなるだろう。新チームを歓迎しない理由は私には見当たらない。特にアメリカのチームなら尚更だ」

「我々はすでに今年、3回のレースをアメリカで開催する。12チームのうちのひとつになるためのどんな提案も歓迎だ。たとえ小規模でも、優れたチームを受け入れよう。ハースの時のようにだ」

「状況が変わり、11番目のチームを持てることを望んでいる。我々は見守ることになるだろう」

2022年F1第5戦マイアミGP マイケル・アンドレッティとFIA会長モハメド・ビン・スライエム

 アンドレッティが独立チームとして参入するためにこの1年行ってきた取り組みは、F1から大きな抵抗を受けた。F1は各チームの現在の分配金の資金を希薄化しないように、チーム数を増やすことに消極的なのだ。しかしながら、アンドレッティがゼネラルモーターズと提携したことは大幅な前進と受け止められており、彼らのプロジェクトはもはや既存F1チームが見下して無視することのできないものになっている。

 だがF1の上級幹部が、「圧倒的多数」のチームが、11番目のチームを追加することに反対していると語ったと『Reuters』は報じている。ゼネラルモーターズとキャデラックの名前については、純粋なマニュファクチャラーによるF1へのコミットメントというよりは「バッジネーム」の一部でしかないだろうと記事は主張している。

 ビン・スライエムは、FIAが新チームのグリッド参入に前向きなアプローチを取っているからといって、アンドレッティの参入に事実上の「承認」を与えているわけではなく、行われるべきプロセスがあると明確にしている。

「我々は13のチームを持つことが認められている。世界でも(市販車メーカー)トップ5に入るGMのような企業を迎えることも許されているし、我々は彼らのF1参戦を促すべきだ。このように、OEMと持続可能性を含む将来のことを考えたいと思う」

「一方で、アンドレッティのチームがあるが、行われるべき適正評価と手順がある。我々は待つことになる」

「FIAとしても会長としても、私はイエスとは言っていない。我々は手続きを開始し、彼らにわかるようにした。彼らは成功するだろうか? 彼らは条件に合っているだろうか? 彼らはF1に加わることができるだろうか? 以前はどうだったかということから決断することはできない」

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