「補助金交付決定の判断には過失がある」庄原バイオマス訴訟 2審も前市長に2億3800万円の支払い請求を命じる 広島高裁【動画ニュース】

広島県庄原市のバイオマス事業をめぐる裁判です。広島高等裁判所は、前の市長に対し返還した補助金と同額のおよそ2億3800万円を支払わせるよう市に命じた1審判決を支持し、市側の控訴を棄却しました。

問題となったのは、庄原市が滝口季彦前市長の体制のときに国の補助事業として進めた「木質バイオマス事業」です。

市は事業を実施するため、国からの補助金を業者に交付しましたが、その業者の不正が発覚…。バイオマス事業はとん挫し、2014年、市は補助金のうち、およそ2億3800万円を国に返還しました。

これについて、一部の住民は市に対して、国に返還したのと同額を滝口前市長に支払わせるよう求める訴えを起こしました。

1審の広島地裁は去年3月、住民側の訴えを認め、滝口前市長に対して2億3800万円あまりの支払いの請求をするよう命じ、市側が控訴していました。

11日、広島高裁の西井和徒裁判長は、「前市長は事業の実現可能性などを調査確認すべき義務があったにもかかわらず、それを怠ったと言わざるを得ない。補助金の交付決定をおこなった判断には過失がある」と1審を支持し、控訴を棄却しました。

原告の報告集会では…。

原告団代表 名越一雄さん(70)
「2015年に提訴して7年半かかりました。本当に長い長い戦いでした。(市には)この結果を真摯に受け止めて、市政のやるべきことをきちんとやってくださいと訴えたい」

判決を受けて庄原市は、「今後の対応は、判決内容を精査したうえで検討してまいります」とコメントしています。

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