朝乃山4連勝 大相撲初場所4日目

対馬洋を寄り切りで破った朝乃山=両国国技館

 大相撲初場所4日目は11日、東京・両国国技館で行われ、元大関で西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=は東十両14枚目の対馬洋(つしまなだ)(29)=長崎県出身、境川部屋=を寄り切りで下し、初日からの連勝を4に伸ばした。

 朝乃山は鋭い出足で左上手をつかみ、右も差して盤石の体勢をつくると、相手に何もさせず一気に寄り切った。取組後「立ち合いで右が入ったのはよかった」と語った。

 5日目は西十両13枚目の魁勝(かいしょう)(27)=愛知県出身、浅香山部屋=と対戦する。初顔で左四つを得意とし、朝乃山とはけんか四つになる。

■完勝にも反省並ぶ  前日に続き、得意の右四つで決める完勝劇だった。だが、リモート取材に応じた元大関は表情を緩めることなく、より質の高い内容を求めて細かな修正点や反省の言葉を並べた。

 最初の立ち合いは呼吸が合わずに不成立。土俵上で苦笑いし「待ったをするということはまだ自分の中に緊張がある」と振り返る。

 気を取り直し、次は立ち合いと同時に左上手をつかんで右も差し、難なく相手に土俵を割らせた。取組時間はわずか3秒。それでも「立ち合いが若干高いし、相手に合わせている。もうちょっと自分から、下から下から攻めていきたい」と自己評価は厳しかった。

 本人はまだまだ納得していない様子だが、2日続けての好内容で地力の差は十分見せている。元横綱白鵬の宮城野親方はこの日のトークイベント後の取材で、以前から期待を寄せる朝乃山を今場所の注目力士に挙げた。

 4日目を終え、十両の全勝は東十両9枚目の狼雅(ろうが)と2人のみ。朝乃山は「毎日相撲を取れることが今は幸せ。状態も悪くない」と語り、「明日から切り替えて頑張っていきたい」と次を見据えた。(七瀬智幸)

■富豊2連勝  三段目の富豊(高岡市出身、時津風部屋)が上手出し投げで勝利し、2勝0敗。三段目の坂林(高岡市出身、尾上部屋)と序二段の千代烈士(南砺市出身、九重部屋)は2連敗。

鋭い立ち合いから上手をつかみにいく朝乃山(右)
上手をつかみ寄り切りで対馬洋を下した朝乃山(右)=両国国技館
上手をつかみ対馬洋を押し込む朝乃山(右)
引き締まった表情で土俵入りした
4日目も多くのファンが朝乃山タオルを持って応援した
集中した表情で取り組み前に気合を入れた

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