幼い頃から病気だったビビさん(9歳)。結核が原因であることを家族も分からなかった。アフガニスタンでは、結核について広く知られているわけではない。
世界銀行の推定によると、国民の6割が失業し全く収入がないとされるアフガニスタン。タリバンが復権して以降、経済制裁の影響は全国に及び、通院にかかる医療費だけでなく食料に困る人も多い。また、医療制度は人材と資金の不足に陥っている。
カンダハル市にある国境なき医師団(MSF)の結核病院は、アフガニスタン南部で唯一、高度な結核治療を提供する医療施設。350キロも離れた地域から来る患者もおり、MSFは交通費や食費なども支援している。こうした経済負担の軽減がなければ、ほとんどの患者は受診する余裕がないため。ビビさんもMSF病院で1年半にわたって治療を受けている。