〈動画あり〉スキーの日 感謝と誇り胸に顕彰 日本スキーの歴史この地から 3年ぶりレルヒ少佐顕彰会

 「スキーの日」レルヒ少佐顕彰会が12日、3年ぶりに上越市の金谷山スキー場で開かれた。主催や関係団体から約80人が参加し、日本にスキーを伝えた同少佐の偉業を顕彰した。レルヒの会、レルヒ祭実行委員会、上越市スキー関係団体連絡協議会の主催。

レルヒ像へ献花したレルヒの会メンバー

 1911(明治44)年1月12日、当時のオーストリア=ハンガリー帝国の軍人レルヒ少佐が、同市において日本で初めての本格的なスキー指導を将校たちに行った。この日(1月12日)を全日本スキー連盟などのスキー関係6団体が2002(平成14)年に「スキーの日」と制定した。
 スキー指導を開始したとされる午後1時に合わせ祝砲が打ち上げられた。開会のあいさつでレルヒの会・大西旬(ひとし)会長(74)は、スキー術を伝えたレルヒ少佐と民間に広めたとされる旧陸軍第13師団長の長岡外史の使命感、後に続く人たちの熱意と努力に感謝し、「歴史を顕彰し理解していくことが大事」とし、「冬山の魅力、ウインタースポーツの楽しさを未来ある子どもたちに発信していきたい。スキーの歴史がこの地から始まったことを誇りに思う」と話した。中川幹太市長も「スキーの歴史や文化を次の世代に伝えていきたい」と意気込みを表した。
 一本杖スキーと現在のカービングスキーが紹介された後、少雪のため中止予定だった一本杖スキー披露を、距離を縮めて急きょ実施。レルヒの会一本杖スキー研究委員会のメンバーが伝来の滑走法を忠実に再現した。

「スキーの日」レルヒ少佐顕彰会に参加した関係団体の人たち

 金谷山にそびえるレルヒ像への献花には、スキー発祥からの歴史を勉強している地元の高田西小5年生代表4人も参加。「金谷山の麓に住む私たちが、スキーに親しむことができるのも、日本にスキーを伝えてくれたレルヒ少佐のおかげ。本当にありがとうございました」と声を合わせて感謝の思いを表した。丸山かんなさん(5年)は「勉強してレルヒさんのことを知ることができ、うれしかった」と話した。

 日本スキー発祥100周年の火の披露と、これから予定される行事の主催団体への分火も行われた。
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一本杖スキー披露動画

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