一瞬ヒヤッ朝乃山5連勝 大相撲初場所5日目

5連勝を決めた朝乃山(右)=両国国技館

 大相撲初場所5日目は12日、東京・両国国技館で行われ、元大関で西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=は西十両13枚目の魁勝(かいしょう)(27)=愛知県出身、浅香山部屋=を浴びせ倒しで下し、無傷の5連勝とした。

 朝乃山は相手の下手投げに揺らいだが、すぐに右四つの形をつくって優位を取り、体を預けながら倒した。白星を重ねたものの、取組後のリモート取材で「(前に出る相撲を取れなかった)初日のように、体が硬くなってしまった」と反省した。

 6日目は、東十両9枚目の狼雅(ろうが)(23)=ロシア出身、二子山部屋=との全勝対決に臨む。

■「どっしり耐えた」  ひやりとさせられた。朝乃山は直近2番で得意の右四つから完勝していただけに、相手の投げでバランスを崩すと場内からは悲鳴が上がった。「自分自身ではどっしり耐えたつもりだったが、危ないと思われるのは課題であり反省点」と漏らした。

 大きく左足で踏み込むとすかさず右差し。左上手を取り逃し、相手の下手投げでよろけたが、まわしが近づくとみるや左上手をがっちりつかんだ。再び繰り出された下手投げに腰が浮いたが、右四つのままこらえて白星をたぐり寄せた。「立ち合いは当たれたが、左上手を取れず上体だけで相撲を取ってしまった」

 今場所から関取復帰し、15日間を戦う。序盤の5日間を終え、勝ちっぱなしで中盤戦へ。「初日は硬かったが、2日目以降は前に出られている。相撲を15日間取れるのはうれしい」と、感謝の気持ちを持ちながら一日一番、土俵に上がるつもりだ。

 十両の無敗は朝乃山と狼雅の2人で、6日目に対戦することになった。1場所で幕内復帰を狙う元大関にとって、早くもヤマ場を迎える。 (岸弦太)

■千代獅子3連勝  県関係力士では西序二段筆頭の千代獅子(富山市出身、九重部屋)が3連勝し、勝ち越しに王手をかけた。三段目の坂林(高岡市出身、尾上部屋)は初日を挙げ、1勝2敗。序二段は霧乃華(高岡市出身、陸奥部屋)が初黒星で2勝1敗。千代烈士(南砺市出身、九重部屋)は3連敗となった。

立ち合いで激しく当たり攻める朝乃山(右)=両国国技館(椎名哲平撮影)
右四つの体勢で魁勝を攻める朝乃山(奥)=両国国技館(椎名哲平撮影)
魁勝の投げに耐える朝乃山(左)=両国国技館(椎名哲平撮影)
朝乃山の背中には気合を注入された手形がくっきり残る
5連勝とし取組後にほっとした表情を見せた
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