山場のマラソン・ステージでもローブ強し。4連勝もアル-アティヤが首位を堅守/ダカールラリー11日目

 1月12日、W2RC世界ラリーレイド選手権の2023年開幕戦『第45回ダカールラリー2023』のステージ11が行われ、総合3番手につけているセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)が4連続となるステージウインを達成した。

 2023年のダカールラリーは、この12日(木)から今大会の山場である“マラソン・ステージ”に突入している。前日のステージ10に引き続きエンプティ・クォーターでの戦いとなる木曜から金曜までの2日間はチームメカニックによる整備や部品補給を受けることができず、車両整備などは選手たちがすべて自分たちで行わなければならない。

 そんなマラソン・ステージの前半戦となるステージ11は427kmの全行程のうち274kmのスペシャルステージで争われた。前半戦最後のSSとなったステージ8から怒涛の3連勝を飾っているローブは、競技11日目も好調を維持。序盤から好ペースで走行を続け、あとに続いたゲラン・シシェリ(GCKモータースポーツ)と、前日に2番手タイムを記録したマティアス・エクストローム(チーム・アウディスポーツ)を振り切ってフィニッシュした。

 4ステージ連続のステージウインを飾ったローブと同型のプロドライブ・ハンターT1+を駆るシシェリのタイム差は2分16秒。アウディ勢唯一の生き残りとなっているエクストロームはさらに10秒の後れを取った。

 連日にわたりローブが好走をみせるなか、総合順位でローブの上に立つ首位ナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)と2番手のルーカス・モラレス(オーバードライブ・レーシング)は、ともに大きなタイムロスはせずについてくる状態が続く。その結果トップ3、とくに首位と2番手のタイム差はなかなか縮まらずアル-アティヤとモラレスが1時間21分04秒差、ローブは1時間30分41秒のビハインドとなっている。

 WRC世界ラリー選手権の元9連覇王者の後方、総合4番手にTOYOTA GAZOO Racingのヘンク・ラテガンが続き、総合5番手には僚友のジニエル・ド・ヴィリエールがつける。

■ハスクバーナのハウズが首位奪還

 二輪部門はこの日、ルチアーノ・ベナビデス(ハスクバーナ・ファクトリー・レーシング)が今大会3度目のステージウインを飾り、2分以内にダニエル・サンダース(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング)、トビー・プライス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)が続くトップ3となった。

 前日に総合3番手から首位に躍り出たケビン・ベナビデス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)はステージ首位から6分22秒遅れ10番手でのフィニッシュに。一方、首位を奪われたスカイラー・ハウズ(ハスクバーナ・ファクトリー・レーシング)は2分09秒の遅れにとどめ4番手でステージ11を走破した。

 この結果、ハウズが1日で総合首位の座を奪還することに成功した。同じくポジションを取り戻したプライスが28秒差で続き、KTMのベナビデスは首位と2分44秒差の総合3番手となっている。

 日本勢のチームランドクルーザー(TLC)では、新型トヨタ・ランドクルーザー・GRスポーツをドライブする三浦昂がステージ98番手/総合116番手。チームメイトで同じく新型ランクル300を駆るロナルド・バソ(チームランドクルーザー)は123番手/総合95番手となった。

 トラック部門に参戦している日野チーム・スガワラの菅原照仁(日野600ハイブリッド)はステージ19番手でフィニッシュし、総合順位は前日からひとつダウンの部門10番手となっている。

 マラソン・ステージの後半戦、1月13日(金)のステージ12は、シャイバのビバークに戻る376kmのルートの中で185kmのスペシャルステージで争われる。

ナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2023
マティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron E2) ダカールラリー2023
トビー・プライス(KTM 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
ケビン・ベナビデス(KTM 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
スカイラー・ハウズ(ハスクバーナ450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
ロナルド・バソ(トヨタ・ランドクルーザー GRスポーツ) ダカールラリー2023

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