【三菱 新型デリカミニ完全ガイド】価格や内外装など最新購入情報をお届け!

三菱自動車は2023年1月13日(金)、新型軽スーパーハイトワゴンのデリカミニの予約注文を開始しました。新型デリカミニは、SUVの野性味と、優れた実用性を併せ持つデリカのキャラクターを受け継いだ新しい軽自動車です。そんな新型デリカミニについて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが価格やおすすめグレードなど詳しく解説します。

三菱 デリカミニ

三菱 新型デリカミニのおすすめポイント

1.軽SUVとしての実用性と安心感

2.全グレードに標準装着の衝突被害軽減ブレーキなど、充実した装備

三菱 新型デリカミニのレビュー・評価

総合評価 3.6 ★★★★☆

昨今は軽自動車の人気が高いです。2022年には、日本国内で新車として販売された4輪車の39%を軽自動車が占めました。軽乗用車に限ると、全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着したスーパーハイトワゴンが、50%以上に達します。

その一方で小型/普通乗用車では、SUVの販売も好調です。2022年に国内で新車として売られた小型/普通乗用車の内、30%近くがSUVで、ミニバンを上回りました。

そうなると軽自動車のスーパーハイトワゴンにSUVの要素を加えれば、売れ行きを効果的に増やせます。特に三菱は、かつてパジェロで人気を高め、今はアウトランダーPHEVが売れ筋です。SUVのイメージが強く、軽自動車のスーパーハイトワゴンとしては、フロントマスクをアウトランダーなどに似た野性的なダイナミックシールドで仕上げたeKクロススペースがあります。売れ行きも堅調で、三菱では、デリカD:5の次に販売台数が多いです。

そこで軽自動車の新たなスーパーハイトワゴンとして、新型デリカミニの受注を開始しました。SUVの野性味と、優れた実用性を併せ持つデリカのキャラクターを受け継いだ軽自動車です。

良かった点

・デリカD:5のキャラクターを受け継ぎ、無骨なデザイン面だけでなく、悪路のデコボコを乗り越えやすくし、快適性にも配慮している

気になった点

・新型デリカミニの登場に伴い、2022年度末(2023年3月)にはeKクロススペースが終了するので、SUVのキャラクターを求めていないユーザーは注意が必要

三菱 新型デリカミニ 基本スペック表

※価格は全て2WDモデルで(4WDの設定もあり)、販売店調べ

※メーカーからの公式アナウンスがあり次第、情報追加予定

三菱 新型デリカミニの価格

新型デリカミニ価格は最も安いGが180万4000円で、最上級に位置するターボのTプレミアムは207万5000円です。最も高価なTプレミアムの4WDは220万円少々です。

新型デリカミニは、eKクロススペースの後継に位置付けられています。

新型デリカミニ Tプレミアム2WDの価格は207万5000円で、eKクロススペースTプレミアム2WDの206万8000円とほぼ同じ金額になっています。

三菱 新型デリカミニの燃費

現時点では新型デリカミニの燃費は、正式発表されていませんが、eKクロススペースのターボモデルではWLTCモード燃費が17.5km/L(4WD)〜19.2km/L(2WD)、NAモデルで19.0km/L(4WD)〜20.9km/L(2WD)となっています。あくまで予測値ではありますが、おおよそ近い数値になるのではないでしょうか。

三菱 新型デリカミニの発売日

新型デリカミニは2023年1月13日に予約受注を開始して、同5月には発売され納車も開始されます。

三菱 新型デリカミニの外観、 ボディサイズ比較

新型デリカミニの外観は、ボディの基本部分はeKクロススペースと同じですが、フロントマスクが異なります。eKクロススペースは、バンパーの部分に上からフォグランプ/車幅灯/方向指示機を配置しましたが、デリカミニの車幅灯は半円状で、ヘッドランプの下側に収まります。方向指示機はこの内側です。ボディの前後には「DELICA/デリカ」のロゴも入ります。

デザインの評価は見た人の好みで異なりますが、近年の三菱は、各種のランプをフロントバンパーの内部に収めるダイナミックシールドを推進してきました。例えばeKクロス EVはeKクロスとほぼ同じ外観に仕上げています。三菱車に共通するファミリーフェイスを大切にしたからです。

このほかアウトランダーPHEV、エクリプスクロス、さらに設計の古いRVRまで、改良時に、バンパーの部分にランプを縦方向に組み込みました。三菱のホームページに掲載された「カーラインアップ」を見れば分かる通り、ダイナミックシールドによる三菱のファミリーフェイスがようやく完成したのです。

それなのに売れ筋のeKクロススペースを廃止して、デリカミニを投入します。しかも「デリカミニ」を名乗りながら、その顔立ちは、デリカD:5のファミリーフェイスとは大きく異なります。矛盾があり、ツジツマが全然合いません。

この点を三菱のスタッフに尋ねると、背景には三菱の新しい世界的なブランド戦略があるようです。以前は統一の取れていなかった三菱車の顔立ちをダイナミックシールドのファミリーフェイスに変更しましたが、この段階を経て、再び車種ごとの個性化を図るようです。従ってデリカミニの顔も、良く見れば、ボディサイドがフロントマスクへ回り込んでいます。

つまりダイナミックシールドの発展型なのですが、クルマのデザインをユーザー側から見ると、そんなに理屈っぽいものではありません。パッと見た時にカッコ良くて、なおかつ「三菱らしい」と思わせる造形が大切です。

最近の三菱では、それが完成の領域に達しつつありました。eKクロススペースなどのダイナミックシールドは、爬虫類的で不気味な印象も受けますが、独特の愛敬もあります。不器用で職人気質の感じられる三菱の雰囲気にも合った顔立ちです。

これをデリカの車名を冠した新型デリカミニで崩すのは、あまり得策では無いと考えられます。こういう貫けないブレ方が、三菱の販売面における成功を妨げる一番の欠点です。新型デリカミニを含めて、機能的には優れた商品を開発しているのに、ブランド戦略で勢いに乗れないのはとても残念なところです。

三菱 新型デリカミニの装備

装備は基本的に充実しており、衝突被害軽減ブレーキなどは全グレードに標準装着しました。そして上級のGプレミアムやTプレミアムになると、販売店では「フォグランプ、ルーフレール、運転支援機能などが加わる」としています。そのためにGとGプレミアムの価格差は19万4000円、TとTプレミアムも18万2000円と大きく、装備にも明確な違いがあります。

その一方でノーマルエンジンとターボの価格差は小さく、GとターボのTを比べると、7万7000円に収まります。ターボは価格が割安ですが、最大トルクはノーマルエンジンの1.7倍に増強され、燃費数値の悪化率は約8%と小さいです。

三菱 新型デリカミニの内装(インテリア)

新型デリカミニの内装は、インパネの基本デザインはeKクロススペースと同じですが、新型デリカミニはカップホルダーなどが収まる中央部分をアイボリーで仕上げ、ワイド感を強調しています。

車内の広さはeKクロススペースと同様ですが、シート生地は異なります。撥水加工が施されて通気性も優れ、小さなデコボコを伴ったエンボス状にしています。シート生地には適度な伸縮性があり、座り心地は快適です。

三菱 新型デリカミニの後席

そのほか、後席の前後スライド量が320mmになることなども含めて、基本的にeKクロススペースと同じです。

三菱 新型デリカミニのエンジン(動力源)、足回り

新型デリカミニのエンジンはノーマルタイプとターボを用意しました。グレードは、ノーマルエンジンがGと上級のGプレミアム、ターボはTとTプレミアムがあり、それぞれに4WDも設定されています。

4WDについては、サスペンションのセッティングがeKクロススペースとは異なり、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)も10mmだけですが増しています。悪路のデコボコを乗り越えやすく、快適性にも配慮しました。

撮影したグレードはTプレミアムの4WDで、タイヤサイズは15インチ(165/60R15)です。eKクロススペースの15インチ(165/55R15)に比べて、サイズが少し大きいです。銘柄はダンロップ・エナセーブEC300+で、指定空気圧は前後輪ともに250kPaです。eKクロススペースの240kPaに比べると若干高めています。

三菱 新型デリカミニのおすすめグレード

スーパーハイトワゴンは、充実した機能によって車両重量が900〜1000kgと重く、エンジンの負荷も大きいためにターボの装着が効果的です。従ってターボモデルを積極的に選びましょう。

三菱 新型デリカミニのボディカラー

新型デリカミニのボディカラーは、モノトーン6種類、2トーン6種類の計12パターンを用意しています。2トーンは全てオプションカラー(有料色)となっています。

三菱 新型デリカミニはこんな人におすすめ

・アウトドアテイスト溢れる力強いスタイリングの軽自動車を求めている人

・ファミリーでアウトドアなどレジャーを楽しむ人

・運転を楽しめる軽SUVが欲しい人

© 株式会社MOTA