インフル3年ぶりに流行 医療への影響を懸念、和歌山県

保健所管内別 インフルエンザ患者報告数(医療機関平均)

 和歌山県は12日、県内がインフルエンザの流行期に入ったと発表した。今年第1週(2~8日)の患者報告数が、2019~20年のシーズン以来3年ぶりに「流行の目安」を上回った。新型コロナウイルスが流行する中、インフルエンザの感染も拡大すれば、さらに医療の逼迫(ひっぱく)が予想される。

 県内では49医療機関が毎週、患者数を報告。その平均が1人以上の場合「流行の目安」となるが、第1週(2~8日)は4.29人と、昨年の第52週(昨年12月26日~今年1月1日)の0.65人から急増した。

 1人以上となったのは、1.51人だった19年の47週(11月18~24日)以来。20~21年期は最多が第39週(9月21~27日)の0.04人、21~22年期は第30週(7月26日~8月1日)の0.13人で、新型コロナの流行以降はほとんど感染者がいなかった。コロナの感染防止対策を徹底する人が増えたためとみられる。

 一方、インフルエンザの免疫を持つ人が減少したことなどから、今期は流行が懸念されていた。

 沖縄県ですでに注意報基準値(医療機関からの平均患者報告数10人以上)を超えており、大阪府でも増加傾向にあることから、県は今後、県内でも感染者が増える可能性があるとしている。

 新型コロナと同時流行すれば、さらに医療の負担が高まることなどから、県は県民に対し、感染防止に努めるとともに、症状がある人は早めに受診し、周囲に広げないよう呼びかけている。

 第1週で最も多かった保健所管内は和歌山市の7.00人、次いで御坊保健所管内の5.67人。紀南は田辺保健所管内が2.57人、新宮保健所管内が1.33人、同保健所串本支所管内は0人。

 全国では第51週(昨年12月19~25日)に1.24人と流行期に入り、第52週は2.05人、今年第1週は4.73人と増加している。

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