ORANGE RANGEのRYO×演出・元吉庸泰 オフィシャルクロストーク 朗読劇公演【-音読stage-StoryofSongs Track1 ORANGERANGE】

今年結成21周年を迎えた ORANGE RANGE(オレンジ・レンジ) の名曲を題材に、新進気鋭の脚本家が完全オリジナルストーリー化し、それを人気声優陣が圧倒的な演技力と ともに朗読するという、アーティスト楽曲×豪華声優陣×新進気鋭のクリエイター陣が贈る新たな朗読劇公演【-音読stage-StoryofSongs Track1 ORANGERANGE】が、 2023年2月8 日(水)~12日(日)にヒューリックホール東京にて開催。
『花』、『おしゃれ番長 feat.ソイソース』、『ミチシルベ~a road home~』、『以心電信』、『キズナ』、『上海ハニー』という ORANGE RANGE 珠玉の音楽群が、演出家・脚本家の元吉庸泰と新進気鋭の若手脚本家によって新たな物語に生まれ変わり、人気声優陣が命を吹き込む。あの時あの瞬間の想いが、新たな煌めきとして紡がれる、融合された新しいリーディングライブ。ORANGE RANGEのRYO×演出・元吉庸泰のオフィシャルクロストークが到着。

――最初に今回の企画について聞いた際の印 象を教えてください。

RYO:僕らとしては、もう嬉しい限りだし、新しいことはメンバーみんな好きなので、最初に話 を聞いた時点でかなり前向きでしたね。ありが たいなと思いつつ「どうなるんだろう?」とい うワクワクもありました。

元吉:アーティストの楽曲を朗読劇にするという話自体は、わりとあるんですよ。最初にその話をいただい
た時は「あぁ、ありますよね」と思ったんですけど、その後に「ORANGE RANGE さんで」と聞いて「えぇ っ!? マジで?」って(笑)。初めてプロデューサー陣と話をした時「え? 『キリキリマイ』で1話やるってこ とですか? 『キリキリマイ』言うてるだけで話終わりますけど大丈夫ですか?」みたいな(笑)。
どういうふうに本にしていくか? そこは衝撃を受けましたね。ORANGERANGEさんというチョイスが ちょっと攻めすぎてて…初めて聞いた際の言葉は本当に「マジで?」でしたね。

――メンバー間で反対意見や懸念する声はなかったんでしょうか?

RYO:企画自体を最初に「やる」ということだけ聞いたんですけど、何の曲なのか? どの曲でつくるの か? ということは聞いてなかったので、やっぱり「花」とかになってくるのかな? と思ってたんですけど、 いろいろな曲をやると聞いた時に「あぁ、面白そうだな」と思って、そこからはみんな、前向きな感じでし たね。

――各話の楽曲(「キズナ」「花」「以心電信」「ミチシルベ ~a road home~」「上海ハニー」「おしゃれ番長 feat.ソイソース」)に関してはどのように決まったのでしょうか?

元吉:作家(脚本家)をまず集めたんですが、集まった作家たちも演劇の中でジャンルがバラバラだったん ですよ。三浦(香)さんは 2.5 次元をよくやられている方で、(福田)響志くんはミュージカル、谷(碧仁)く んは小劇場というちょっとアングラなところでやっているんですけど、共通するのは 3人とも「青春が ORANGE RANGE だった」ということでした。
まず集まって「何やりたい?」というところから始めました。僕が「*~アスタリスク~」が大好きで、全体 的なテーマを「*~アスタリスク~」にしたいという話をした後、みんなでおもちゃを取り合うみたいにやり始めたんですけど、谷くんがマニアで、ものすごくマイナーな曲しか選ばなかったんですよ(笑)。「それはマズい」という話になりまして…「俺は知ってるけどね…」と(苦笑)。結局、みんなが知っている知名度のあるメッセージ性の高い曲をそれぞれが 1 曲、あとは本当に好きな曲を 1 曲ずつで、ひとり2話ずつ書 こうということになりました。
最終的に選ばせていただいて、それが奇跡的に良いバランスだったので、そのまま走っちゃおう! ということになりました。意図せずこの形になった感じですね。それだけ(ORANGE RANGE の楽曲が)バラ エティに富んでいるということですね。

――これらの楽曲を使用して、どのような朗読劇になるのでしょうか? 現時点で明かせる範囲での構想 を教えてください。

元吉:朗読劇って「劇」であり、「見せる」ことがメインになるじゃないですか? でもこの“音”と“物語”を演 劇の主役にできないか? というところから始まって、空間における声優さんの声と音、物語を目をつぶ っていても楽しめる――単純に物語や音や交換される感情を「(制作側に)見せられる」のではなく、自分 で「取っていく」というアプローチになるように、セットや映像表現などを選んでいるところです。
プラネタリウムで星を見ているような感じに近い、ラグジュアリーなものになればいいなと考えつつ進め ているところです。

RYO:いや、もう今の話を聞いていても「なるほどな」と思うところがありました。自分たちの曲に関して も、いろんな曲調のものがあるぶん、自分から「入っていく」感覚というのは面白そうだなと思いました。

――選曲に関して、RYO さんはどのような印象を持たれましたか?

RYO:嬉しいのが「papa」(※「以心電信」の劇中で使用予定)とか「雨」(※「花」の劇中で使用予定)とかっ て、あまりフィーチャーされないんですね。ライブでは僕らは好きでやってて、“飛び道具”のような感覚で やってるので、そういうところが拾われているのは嬉しいですね。
あとは、最初の段階の台本を読んだ時に、曲を聴いてくれていたんだろうな…というのを感じ取れたので それが嬉しかったですね。世代が近いというところもあって、続けてきたからこそ、こう言うことができて いるんだなというのを感じ取れたので、それが一番嬉しかったですね。

――書き上がった脚本を読まれての感想、ご自身が制作時に曲に込めた思いと重なる部分であったり、 逆に「こう解釈するか!」と驚いた部分などがあれば教えてください。

RYO:「以心電信」と「papa」が使用されている話(「以心電信」)なんですけど、「papa」という曲は、僕らはコミカルに書いたんですね。「思い切り遊べる曲を作ろうぜ!」と。YAMATO が、サビに「パパが帰ってこない」とか「カブトムシ見つけた」とか RECで叫び始めて、あの時はわかんないまま REC してて、夜中 にみんなでいいテンションでの REC だったので「いまのいいね!」とかって感じでやってたんですけど、 (脚本は)結構シリアスな脚本になってて…(笑)。そこは面白かったですね。こういう変化を今回はとても 楽しみにしていたところだったので、これは良いなと思いました。

――元吉さんは脚本家チームと物語を作っていく上で、ジャンルやシリアス or コメディといった部分に関 してどんな話を?

元吉:いつも一番考えるのが「なんでこれを書いたのか?」ということなんですよね。シェイクスピアであ れ何であれ、この作家はなぜこれを書いたのか? と考えるんですけど、それを考えた時、今回の物語は コメディであれシリアスであれ、自分の青春と被っている部分や自分のトラウマを乗せてきているなとい う部分を感じました。
まさに「以心電信」を書いた谷くんは、家族に対してすごいトラウマティックなものを持っているらしくて、 そんな彼が曲に救われていたというのを物語を読んですごく感じて、そこはうまく演出的に引っ張ること ができたら、メッセージが一番伝わるのかな…ということを考えながら、特に僕のほうでバイアスをかけ るのではなく、作家がストレートに書いてくれたものを空間に投げつけることができれば“正解”に近いん じゃないか? と考えながら今回はやっています。

――ちなみに今回の公演、出演者が63名いるんですが…。

RYO:すごいですね…。

元吉:えぐいですよね(苦笑)。

――出演者のみなさんにどんな演出をしようと思い、どんなことを期待されていますか?

元吉:日本の声優さんって世界に誇るべきものだと思っていて、すごい量の物語に関わってきているので、 すごい量の物語のストックがあるんですよね。だから今回、細かな演出をするというより、「思い思いに心 を動かしてください」と言おうと思っていて、「ただし、心を動かさないというのはもったいないのでやめましょう」という形でやった時、どういう変化やどこに(思いを)込めるのか? という部分で、その人の辿 ってきた人生やストックの部分によって全然違ってくると思うんです。それが薄い人は薄くても、それはそれで面白いものになると思うのでいいんですけど、僕はちゃんとルールを決めて、その中で思い思いにみ なさん、音楽や場所を使って、映像を使って「遊んでください」とお伝えして、そこで化学変化が起こるん じゃないかということを信じています。欲を言うと稽古時間は欲しいですけどね(笑)。

RYO:ベテランの方もいらっしゃいますが、わりと若い方が多い中で、メいまの声優さんたちはレベルが 高い印象を持っています。こういう場で、自分らの曲を絡めた時にどんな表現をしてくれるのか? しか も、いまお話を聞いていると、結構、自由度が利きそうなところがあるので、どういう表現になるのか非 常に楽しみですね。

――改めてアーティストとしての ORANGE RANGE の魅力はどういうところにあると思いますか?

元吉:当時の僕の思い出からすると衝撃的で、まさに大学時代に、最初は RIP SLYME の「楽園ベイベー (2002)」だったんですね、夏が。

RYO:はいはい(笑)。

元吉:その次の年に「上海ハニー(2003)」が出てきたとき、上海のハニーをナンパするだけの話でこんな に持っていけるんだ! とすぐに持っていかれまして(笑)、そこでもうひとつ衝撃的だったのが、僕にとってそれまで音楽とかアートとか、全て年上の世代から享受していたのが、同じ世代、いや、むしろ僕らより も少し下の世代の人たちがカルチャーを持っていくということでした。僕らの世代で世界って変えれるん だってことを教えてもらったんですよね。だからこそ、この仕事をやろうと思えた部分がありました。
それまで僕はアートとエンタメって分かれているものだと思っていたんですけど、一緒でいいんだ! と いう破壊力をいただけたというのが、僕の中でずっと抱き続けている憧れであり、感謝でもあって、 ORANGE RANGE さんが持っている魅力であり、だからぜひこの公演を通じてお客さんに「わかれよ!」 と言いたいです!

――世間的には「上海ハニー」がドラマの挿入歌になって注目を集め、その後も次々とヒット作を世に送り 出してブレイクしたという感じだったと思いますが、メンバーはみなさん、わりと冷静に自分たちを見つめ ていたということなんですね?

RYO:冷静というか、そこまで自分たちが追いつけていなかったですね。ミリオン達成とか、スタッフさん に言われた時、5 人全員、そこまで喜んでなかったのは覚えてますね。それよりも明日の仕事、明後日のス ケジュールみたいな事ばかり考えていて、喜んでいるのは周りだけ。それくらい疲れて切っていたのかも しれないですね。そこまで実感がわかないまま…。やっぱり、どうしても“ライブ”だったんですよね。良い ライブができるかどうかが基本の部分の喜ぶ基準になってて、良いライブできる時はいいけど、ダメだっ た時の平均値を上げていかないといけないと考えてて、それが中心にあったと思いますね。

――年齢を重ねて、成熟が加わって、それがいまは良いバランスに?

RYO:そうですね。トゲトゲしかった変なトゲが抜けて、いまはいい感じになっていますね。

元吉:やっぱりすごいですね。絶対に天狗になるじゃないですか(笑)? 自分の道を歩き続けるって、「歩 く」という行為がすごく大変なことだし、自分を傷つける行為じゃないですか? でもそこを実直にやられ てきて、煮詰めてきてくださったからこそ、こういう多彩な音楽が作れているんだなと。凝り固まってい ないんですよね、ずっと。アルバムも毎回、新しいことが入っていて、「こんなに素晴らしいんだ!」といつ も思わせてくれるんですよね。
今回、改めて全てのアルバムを聴かせていただいて、同じ人が作っているの? と一瞬、思わせるような ところもありました。驚かせてくれるというだけで、どれだけ勇気づけられるか、というのもあるし、ここ まで風呂敷を広げられるんだったら、僕ももっと思考しなくてはいけないと考えさせていただいてます。
ただ、そのベクトルが自分たちに向いているわけじゃなく、ちゃんと目の前のお客さんに向いているとい うことがすごく大事だなと感じます。「守る」ということよりも、「前に!」「明日をどう進んでいくか?」と いうメッセージをいま、いただけた気がして、ヤベェ、明日から俺、頑張らないと!と感じています。

――朗読会に向けてメッセージをお願いします。

元吉:自由に受け取って帰っていただければと思います。「本当」って舞台上にあるのではなく、基本的に 自分の中にしかないと思うので、この(舞台の)空間に入って、音楽を聴いて、声を聞いて、そこで自分の 中での「本当」を探していただければ、見終わった後の人生がひとつ豊かになるんじゃないかと思います。 それだけでいいというか、お話の内容を何も覚えてなくても、劇場を出た時に「自分はこうなんだ」という ことを感じていただける空間にできたらといま、思っています。そうやって向き合っていきたいと思いま す。

RYO:僕はお客さんと同じ気持ちで観に行くと思います。ORANGE RANGE の曲の可能性みたいなも のも見てみたいし、どうなっていくのかワクワクしています。素晴らしい才能が集結していますので、あと はそこを僕らも楽しむだけです。ありがたいことです。

全9公演総勢63名の人気声優が大集結! 彩鮮やかな声優陣による、多彩な技術と表情による圧倒的な演技力とともに奏でられる、前代未聞の朗読劇公演。

出演キャストは、 赤羽根健治、石川界人、伊瀬茉莉也、伊藤静、梅田修一朗、大久保瑠美、岡本信彦、小野友樹、折笠富美子、 海渡翼、加隈亜衣、金元寿子、神尾晋一郎、茅野愛衣、河西健吾、久保ユリカ、熊谷健太郎、黒沢ともよ、小清水亜美、小西克幸、小林ゆう、駒田航、小松昌平、小溝七夢、佐藤利奈、下地紫野、白石涼子、新祐樹、高橋英則、田中美海、田丸篤志、てらそままさき、堂島颯人、中島愛、中島ヨシキ、中原麻衣、名塚佳織、夏吉 ゆうこ、浪川大輔、西尾夕香、西本りみ、野島健児、畠中祐、濱健人、浜田賢二、林勇、潘めぐみ、日岡なつ み、日笠陽子、日高里菜、平川大輔、保住有哉、本渡楓、増元拓也、松岡禎丞、松岡由貴、水中雅章、緑川光、 三宅健太、向野存麿、村田太志、森田成一、山下七海(五十音順)。

公演情報
「‐音読 Stage-Story of Songs Track1 ORANGE RANGE」
開催日程:2023年 2 月 8 日(水)~ 2 月 12 日(日)
会場:ヒューリックホール東京
演出:元吉庸泰 脚本:三浦香、谷碧仁、福田響志
題材楽曲:『花』、『おしゃれ番長 feat.ソイソース』、『ミチシルベ~a road home~』、
『以心電信』、『キズナ』、『上海ハニー』 公式TWITTER: https://twitter.com/story_of_songs
問い合わせ:info@storyofsongs.jp
公式サイト: http://storyofsongs.jp/
主催:Story of Songs 製作委員会
コピーライト:©Story of Songs 製作委員会
お問い合わせ:info@storyofsongs.jp

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