火祭り「準備着々」 潮岬望楼の芝の周囲焼く、串本

3年ぶりに開催予定の「本州最南端の火祭り」に向け、火が周辺に燃え移らないよう芝生の周囲を焼く関係者(12日、和歌山県串本町潮岬で)

 和歌山県串本町潮岬に広がる望楼の芝で21日に開かれる「本州最南端の火祭り」(南紀串本観光協会主催)に向け、関係者が12日、祭り当日に火が周辺に燃え移らないよう芝生の周囲などを焼いた。夕闇の中で炎が幻想的に燃え広がる火祭りの開催は、コロナ禍の影響で3年ぶり。観光協会は「本番に向けて準備着々」と話している。

 本州最南端の火祭りは、害虫を駆除し、新芽の育成を促すために行われていた芝焼きを1997年から観光振興に活用しようとイベント化。2001年から現在の名称で開いており、さまざまな催しもあって毎年家族連れや写真愛好者ら2千~3千人が訪れるが、21、22年はコロナ禍のために開催を見送っていた。

 この日の作業には観光協会や町、町消防本部から約30人が参加。火を付けた布を使って芝生の周囲を2~3メートルの幅で焼き進め、消防署員が燃え広がらないよう放水した。

 観光協会の島野利之会長(55)は「3年ぶりに何とか開催できればと着々と準備を進めている。久しぶりの大きなイベントで楽しみにしていただいている方も大勢いらっしゃるので、新型コロナの感染対策には十分気を付けながら、大成功になるように頑張っていきたい」と意気込んでいる。

 21日は午後1時から菓子や食べ物、雑貨などの物産販売、4時半からトビウオのつみれが入った「しょらさん鍋」の振る舞い、潮岬節保存会や町トルコ文化協会による踊りの披露、5時から人気の「芋餅」の販売がある。

 式典は5時15分からで、5時半から串本古座高校弓道部による火矢射式と演出花火があり、芝焼きがスタート。6時半ごろには終了する予定。雨天・強風の場合は28日に延期する。

 駐車場は潮岬観光タワー周辺に5カ所開設する。公共交通機関での来場は、午後4時にJR串本駅からコミュニティーバスが出発し、6時15分にはタワー横から串本駅行きの臨時バスが出る。

 問い合わせは南紀串本観光協会(0735.62.3171)へ。

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