トヨタ、ボディワークなど改善した2023年型GRヤリス・ラリー1発表。エンジンも新スペックに/WRC

 1月13日、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、来週19(木)から22日(日)にかけて、モナコとフランスで開催される『ラリー・モンテカルロ』に先駆け、2023年シーズンのWRC世界ラリー選手権に投入される改良型トヨタGRヤリス・ラリー1を発表した。

 ハイブリッド規定のラリー1導入初年度となった昨季2022年、ドライバー/コドライバー/マニュファクチャラーの3冠獲得を2年連続で達成したトヨタ。まもなく開幕する2023年に向けては既報のとおり、新王者カッレ・ロバンペラとエルフィン・エバンス、セバスチャン・オジエを継続起用しつつ、新たに勝田貴元をワークスチームに迎え、オジエと3台目のマシンをシェアするメンバーとしている。

 WRCハイブリッド時代の2年目のシーズンとなる今季開幕戦モンテカルロでは、この4名全員がトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦するが、オジエが3台目に乗り込む関係で勝田はマニュファクチャラーズ選手権の対象から外れた4台目のマシンをドライブすることになる。

 ヤリ-マティ・ラトバラ代表が率いるチームは、ラリー1規定のデビューイヤーに年間7勝を挙げたマシンをさらに改善し、3年連続での“トリプルクラウン”を狙う。その改良型マシンはハイブリッドシステムを冷却するためのクーリングインレットを含むリヤのボディワークが変更された。

 また、パフォーマンスをさらに高めるために新スペックのエンジンも導入され、総合性能の向上が図られている。

■ラトバラ代表「良い結果を出してシーズンをスタートできることを願っている」

 2023年のラリー・モンテカルロは、前年と同じく全日程をとおしてモナコのハーバーにサービスパークが置かれ、そこを起点にフランス南部の山岳地帯で4日間にわたって競技が実施される予定だ。

 ステージは基本的にすべてターマック(舗装路)だが、天候によっては降雪路となる可能性もあるのがラリー・モンテカルロの恐ろしいところ。それゆえにタイヤ選択が難しくドライバーの技術だけでなく、チームの総合力が重要になるラリーといえる。

「ラリーファンにとって、シーズンの始まりはいつも非常にエキサイティングな瞬間だが、2023年もそれは変わりません。どのチームにも勝つチャンスがあるため、今シーズンはよりタフでチャレンジングな戦いになると思う」と語るのは、チーム代表のラトバラ。

「それでも、我々はこのチャレンジが好きだし、勝つために真剣に戦うことを楽しんでいる。もちろん、ターゲットは3つのタイトルをふたたび獲得することであり、それを実現しなくてはならない」

「我々には強いクルマがあるが、ハードワークを続ける必要があることも、昨年よりも改善しなければならないエリアがあることも理解している。毎年、どこを改善すればいいかを考えなければならないが、今年もいくつか変更を施した。競争力と信頼性を備えたクルマがあり、ドライバーもクルマに慣れていて、良い結果を出したがっているので、すべてにおいて準備は整っている」

「開幕戦のラリー・モンテカルロは、シーズン中もっとも難しいラリーだ。初日の木曜日の夜、暗闇の中で行われるステージはドライバーにとって大きな挑戦だが、最終日に良い結果を出してシーズンをスタートできることを願っている」

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