朝乃山6連勝、単独トップ 大相撲初場所6日目

狼雅との全勝対決を制し6連勝とした朝乃山(奥)=両国国技館(椎名哲平撮影)

 大相撲初場所6日目は13日、東京・両国国技館で行われ、元大関で西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=は東十両9枚目の狼雅(ろうが)(23)=ロシア出身、二子山部屋=を寄り切りで下した。全勝対決を制し、十両唯一の全勝となった。

 左上手を取り逃した朝乃山は、不利な状況を耐えて相手の左上手を切ると、もろ差しで一気に寄り切った。取組後のリモート取材で「今日の相撲はだめ。しっかりまわしを取っていきたい」と反省を口にした。

 7日目は、西十両11枚目の島津海(しまづうみ)(26)=鹿児島県出身、放駒部屋=と戦う。

■十両で唯一全勝  粘りを見せた53秒だった。十両全勝同士の注目の一番。朝乃山は立ち合いで左上手をつかめなかったが、右差しで耐え続け、十両単独トップの6勝目を挙げた。それでも「自分の悪い相撲が出た」と浮かない表情を見せた。

 5日目に続き、左上手を一発で取れず攻めあぐねた。狼雅に得意の右四つの形を許すと、強烈な引きつけを防ぐので精いっぱい。それでも、相手の押し込みに乗じて左上手を巧みに切ると、一気に反撃。すかさず左を巻き替え、もろ差しで仕留めた。「切り替えてから攻めるのは稽古でやってきた。寄り切れたのは思い切った結果」と、辛勝の中に収穫を見いだした。

 十両でただ1人、連勝街道をひた走る元大関は「今日は今日で、明日はまたある。連勝や十両優勝を考えず切り替えていきたい」と語る。7日目は、もろ差しや寄りを得意とする島津海との対戦。次こそ、朝乃山らしい前に出る相撲で完勝し、勝ち越しへ勢いをつけたい。(岸弦太)

■常川2勝目  県関係力士では三段目の富豊(高岡市出身、時津風部屋)が負けて2勝1敗、常川(南砺市出身、荒汐部屋)は勝って2勝1敗、飛騨野(富山市出身、荒汐部屋)は負けて1勝2敗とした。序二段の旭水野(朝日町出身、大島部屋)は負けて1勝2敗。

左上手が取れないまま耐える朝乃山(右)=両国国技館(椎名哲平撮影)
四つに組み合い、左上手を狙う朝乃山(右)=両国国技館(椎名哲平撮影)
腰を落として勝機をうかがう朝乃山(奥)=両国国技館(椎名哲平撮影)
大相撲の末に狼雅寄り切り、6連勝とした朝乃山(手前)=両国国技館(椎名哲平撮影)
狼雅との全勝対決を制し6連勝とした朝乃山(手前右)=両国国技館(椎名哲平撮影)
6日目もファンの声援を受けながら土俵へ向かった

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