『すてきな片想い』のヘレンおばあちゃん死去、98歳 「私はこの部屋より大きな宝石を持っている」の名言

女優のキャロル・クックさんが死去した。カルト的人気を誇る1984年の名作映画『すてきな片想い』でヘレンおばあちゃんを演じたことで知られる。99歳の誕生日を3日後に控えた11日に、心不全で亡くなったことが夫のトム・トループによって発表された。

米テキサス生まれのキャロル(本名ミルドレッド・フランシス・クックさん)は、女優ルシル・ボールの要請でロサンゼルスに連れて来られ、ルシルと出会い名声を確立することになった。2人は1963年から1968年まで 『ザ・ルーシー・ショー』、1969年から1974年までスピンオフの『陽気なルーシー』で共演、1989年にルシルが亡くなるまで親友であり続けた。

また、トニー賞を受賞したミュージカル『42ndストリート』を含むブロードウェイ作品に3度出演し、1964年の映画『秘密兵器リンペット』ではドン・ノッツの妻ベッシー・リミットを演じたほか、『アメリカン・ジゴロ』、『ガントレット』といった映画に出演した。

2018年には、ニューヨークのキャバレー、54 Belowで行われたワンマンショーで歌い、思い出を語っていたキャロルは同ライブについてこう話していた。「私の年齢では、ここに出演することはキャリアアップにならない。私はこの部屋より大きな宝石を持っているのよ」

そんなキャロルは2018年9月、夫と一緒にウエストハリウッドのレストラン、クレイグズの外にいた時、TMZのインタビューに対し、「必要な時、ジョン・ウィルクス・ブース(リンカーン大統領の暗殺者)はどこにいるの?ってことよね」と答え、ドナルド・トランプ大統領を暗殺すべきだと示唆し物議を醸していた。この発言によってシークレットサービスがやってきたが、キャロルはそれについてこう話していた。「彼らはこれ以上ないほど親切だった。私は『刑務所には行けない、ストライプは横長でしょ、私には似合わない』と言ったわ」

1964年3月、花嫁付添人にルシルを迎え結婚したキャロルだが、継子のクリストファーとその妻のベッキー、妹のレジーナ、そして姪や甥たちを残して亡くなった。以前はアクターズ・ファンドとして知られていたエンターテインメント・コミュニティ・ファンドを通して、現在キャロルを偲ぶ寄付が可能となっている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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