受験シーズン本番!多発する痴漢被害 鉄道警察隊ら「被害防止に全力尽くす」 入試日に警戒強化も

JR大宮駅構内で駅利用者に被害防止を呼びかける及川直美鉄道警察隊長=13日午後

 学生の受験シーズンに多発する公共交通機関での痴漢被害を防ごうと、鉄道警察隊などは13日、JR大宮駅構内で啓発活動を行った。14日から始まる大学入学共通テストなどを見据えて、埼玉県警は鉄道各駅での警戒を強化し、受験生に向けて具体的な被害防止対策を提案している。

 キャンペーンには同隊員や県警生活安全総務課員など30人が参加。駅利用者に啓発品を配布して痴漢被害の防止を呼び掛けた。同駅東西連絡通路にあるイベントスペースには痴漢犯罪防止を訴えるポスターなども掲出された。

 鉄道警察隊によると、昨年1年間で同隊に寄せられた痴漢被害相談件数は499件。県警では共通テスト期間である15日までの2日間を始め、県内の各高校の入試日には当該署や同隊などが連携して鉄道駅構内や列車内で警戒を強化する。また、犯罪情報を発信する県警のツイッターアカウントでは受験生に向けて、電車を利用する際に▽女性専用車両を利用する▽ドア付近での乗車を避ける▽防犯ブザーを見えやすい場所に持つなどの具体的な防犯対策を紹介した。

 同隊の及川直美隊長はこの対策に加えて、列車内で痴漢被害に遭った際に周囲に助けを求める防犯ブザーの機能を備えた県のスマホアプリ「ポケットブックまいたま」を紹介。「被害防止に全力を尽くすが、もし被害に遭ってしまった時にはちゅうちょなく相談してほしい」と呼びかけた。

 大学入試センターでは、新型コロナウイルス感染や試験会場へ向かう途中での交通事故などやむを得ない事情で受験が困難になった受験生のため、28日、29日を試験予備日として追試験を設定している。同センターによると、痴漢被害についても状況に応じて客観的な証明ができれば認められるという。

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