冬キャンプ「プロパンガス」最強説!寒さに強いCB缶/OD缶の選び方のポイントを詳しく解説します

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キャンプブームで冬キャンプを始める人も増えつつある昨今。この記事では、冬キャンプで「プロパンガス」をおすすめする理由をご紹介。寒さに強いガス缶とは?ガスの成分など詳しく解説します。

キャンプ用の燃料は様々あります

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キャンプでよく使用する燃料は大きく分けて、家庭でも使用するカセットボンベのCB缶、アウトドア用のガスOD缶、ホワイトガソリン、アルコールの4つに分類され、ライトやガスバーナーなどの燃料系ギアの燃料をどれかに統一することで、荷物の削減になると言われています。

それぞれの燃料はメリット・デメリットがありますが、今回は多くの人が愛用しているCB缶、OD缶のガス缶の成分について紹介します。

一言にガス缶と言っても、中に入っているガスの成分率がそれぞれ異なり、それにより冬向きかどうか調べることができます。

ガス缶に使用される成分は主に3つ

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ガス缶に使用されている液化ガスの成分は主に3つで、「ブタン(ノルマルブタン)」「イソブタン」、「プロパン」です。

  • ブタン(ノルマルブタン)
  • イソブタン
  • プロパン

液体ガスはガスを気化させ、空気と混合して燃焼させますが、そのガスの気化温度が成分により異なり、ブタン(ノルマルブタン)はマイナス0.5℃、イソブタンはマイナス11.7℃、プロパンはマイナス42.1℃となっています。

気化温度が低ければ低いほど、寒い環境でも火力が落ちません。

「プロパン>イソブタン>ブタン」の順に寒さに強い成分となりますが、値段も「プロパン>イソブタン>ブタン」とプロパン成分が多いほど高価になるため、その3つの成分をうまく組み合わせて、ガス缶は合成されています。

冬キャンプ向きのおすすめガス缶は…

アウトドアショップで並んでいるガス缶の値段が違う理由は、一概にガス比率の違いとは言えませんが、成分の違いが値段の違いに大きく関わっています。

商品ごとにガス比率も様々ですが、気温が5℃以下の場所でキャンプに行く場合は「プロパン比率」が高いガス缶を選ぶようにしましょう。

ここから、冬キャンプ向けのおすすめOD缶をご紹介していきます。

【氷点下エリアにおすすめ】 EPIgas「190エクスペディションカートリッジ」

EPIgas「190エクスペディションカートリッジ」は本格的な冬山用に作られた極寒向きカートリッジ。プロパン率40%は他の冬向きOD缶よりも高く、使用最低気温はマイナス20℃!!

厳冬期にキャンプに行かれる方には特におすすめです。

成分:イソブタン60%プロパン40%

【〜0℃のエリアにおすすめ】 プリムス「ハイパワーガス」「ウルトラガス」

ガスカートリッジの種類が充実しており、入手しやすい「プリムス」のOD缶。

このブランドからは「プロパン入り」の冬向きガスカートリッジが2種類。

1つはブタンガス75%、プロパンガス25%の「ハイパワーガス」。そして、それよりよりさらに寒さに強い極寒向きのイソブタンガス70%、プロパンガス30%の「ウルトラガス」があります。

【〜0℃のエリアにおすすめ】スノーピーク「ギガパワーガス250」

スノーピークのカートリッジの中で、最も冬向きのプロパン入りの「ギガパワーガス」。

成分比率は公開されていませんが「イソブタン+プロパンの混合」なので、かなり寒いエリアでも火力が落ちないと評判のOD缶です。

【寒さに強いCB缶なら】SOTO「パワーガス」

一般的に販売されているCB缶は、ノーマルなOD缶よりも寒さに弱いです。

しかし、SOTOの「パワーガス」は、ブタン70%、プロパン30%の混合でプロパン成分30%配合されているので、寒さに強いCB缶と言えるでしょう。

ガス缶カバーを使うと性能UP

最近、ガス缶にカバーをつけてドレスアップする方が増えていますが、ガス缶カバーをつけることでガスの温度低下を防ぎ燃焼効率が上がるという効能があるので、冬キャンプではガス缶カバーを使うのもおすすめです。

冬向け燃料は気温の高い時期の使用は厳禁!

極寒用でプロパン比率の高いモノは、気温の高い時期の使用は危険。

よって、極寒用は夏は販売していないことが多いですが、季節によってガス成分の比率を使い分けが必須。

プロパン比率の高い極寒用のカートリッジは、余っていても夏に使用しないようにしましょう。

※ブランドによって取り扱いが異なるため、購入時必ず確認しましょう。

また、燃焼ギアと燃料缶は基本的には同じメーカーのものを使わなければ事故が起きる可能性もあり、保障も対象外になる恐れがありますのでご留意ください。

アメリカではプロパンガスが主流

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日本では灯油をガソリンスタンドで給油できますが、筆者が住むアメリカでは、灯油はガソリンスタンで販売されていません。

その代わりというわけではないですが、ほとんどのガソリンスタンでプロパンガスが販売され、場所によっては自分の所有しているプロパンタンクにリフィル(詰め替え)をしてくれる場所もあります。

それほど、プロパンが身近なアメリカでは、アウトドア用のBBQグリルやヒーターもプロパンを使用するものが多く、小さなプロパンタンクもあり、OD缶に比べ安価で大容量。

よって、我が家は冬用のキャンプ用ヒーターは、プロパン燃料のIgnikの「FRECAN PORTABLE FIRE PIT」を使用しています。

これはガス燃料のファイヤーピットで、木を使わないので煙も出ずに、簡単にどこでも暖がとれて便利。ヒーターギアは燃料の消費が激しいですが、プロパンは雪の中でも使用でき、大容量で燃費がいいところも気に入っています。

季節によってガス缶の成分を使い分けよう

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筆者の友達に冬にキャンプに行き「ガスバーナーが壊れて使えなかった」という人がいましたが、それはガスカートリッジが寒さで使えなかっただけでした。

彼らはそのため、用意していたBBQができず、結局レストランでご飯を食べに行っていましたが、せっかく冬のキャンプを楽しみに向かっても、ギアが使えないとキャンプの楽しみは半減してしまいますし、場所によっては死活問題にもなります。

冬の装備は夏と異なり、冬向きのガスカートリッジはプロパン成分の比重が重要なことを頭に入れておきましょう。ただし、プロパン比重が高くなればなるほど値段も高くなるため、10℃以下にならない場合はノーマル缶。10〜0℃ぐらいはハイパワー、それ以上温度が下がるようなら極寒用を使用するなど、TPOによってガス缶を使い分けしましょう。

ちなみに、ホワイトガソリンギアは手間がかかりますが、寒い場所でも火が安定しており、冬向き。冬も頻繁にキャンプに行くようなら個人的には、冬は寒さに強く燃費がいいホワイトガソリンギア。他の3シーズンは、ノーマルガス缶を使用するギアを使用するのがおすすめです。

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