見ると寿命が延びる?! 地平線に輝く1等星「カノープス」、福井県福井市から撮影に成功 場所、天気図を日々チェック

山際すれすれに現れたカノープス(点線内)。撮影場所から約20キロ離れた左奥の日野山(標高794メートル)より低い位置にある=1月11日午後10時15分ごろ、福井県福井市清水町から米澤裕信さん撮影

 冬の夜空で南の地平線すれすれに現れる1等星「カノープス」を、福井県福井市の自営業、米澤裕信さん(71)が1月11日夜、写真に収めた。北緯37度より北の地域では見ることができず、地形や雲、もやなどの影響も受けやすいため、北緯36度で雨や雪が多い福井市からの撮影は貴重という。

 カノープスは、冬の大三角の一つでおおいぬ座の「シリウス」に次いで、夜空で2番目に明るい恒星。シリウスの真下から少し西寄りの地平線付近で、赤っぽく輝く。中国の言い伝えでは、見ると寿命が延びるとされ「南極老人星」などと呼ばれる。

 米澤さんは、日本列島の中心のやや南に高気圧の中心が位置するときなら福井で観測できると分析。天気図を日々チェックし、自宅付近で真南が開けた場所を探した。11日夜は福井市清水町の不死鳥大橋付近で午後10時ごろから30分ほど観察でき、「高校からの天文好きだが、初めて撮影できた」という。

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 福井市自然史博物館によると、カノープスの位置が最も高くなる南中高度は福井市で1.6度、東京も1.9度しかない。黄砂や花粉の影響も受けるため、空気が澄んでいる1~2月は観察に適しており、福井市での南中時刻は1月15日が午後10時40分ごろ、2月15日は同8時40分ごろという。

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