スポーツカスタムの主役はフェアレディZ。トレンドの中心は“軽”のアウトドア仕様/東京オートサロン2023

 1月13日に開幕した『東京オートサロン2023』。オートサロン完全復活! クルマも人も戻ってきた会場を見ているとそんな思いを強く実感してしまう。会場で話を聞いた出展者もそんな思いが強いようで、例年以上に魅力的なクルマや製品が展示されていた。

 そんな中、まず目を惹いたのが“アウトドア”勢の躍進ぶりだ。最近のキャンプブームの影響もあって、軽自動車からミニバン、SUVまで満遍なく揃っている印象だ。

 特に軽自動車をベースにしたカスタム車両の仕上がりの高さは目を惹く。スズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼットをはじめとした軽ワンボックスは車中泊を意識した工夫を凝らした車両が多く、来場者からも大きな注目を集めていた。

SUVを中心としたオフ系カスタムの人気は健在。ホイールはもちろん、サスペンションやエアロなど、多彩なパーツがラインナップされている。

 車内で快適に過ごすための内装まわりや装備も本格的なもの。出展者に話を聞いてみると、ひとり、もしくは2名(カップル、夫婦)でアウトドアライフを楽しみたいというニーズが強まっているとのこと。カスタム仕様の車両価格もお手ごろにな設定なので、『軽自動車』をキャンプ仕様にカスタムするカテゴリーは、今年もカスタムシーンのトレンドとして進化していくだろう。

三菱自動車のブースでは、“デリカ”シリーズの名が与えられた軽SUVの新型デリカミニが発表された。今後のカスタム界のトレンドを動かす目玉になるだろう。
毎年、ダイハツが提案するカスタムモデルは、トレンドを先取りした意欲作が揃う。

 トヨタ・ハイエースやニッサン・キャラバンなどの1BOX型ミニバンを車中泊仕様にしたカスタムの人気も健在。身体を休めることに特化したシンプルな仕様から本格悪路も走れるようなカスタムまで、面白い車両が揃っていた。

 花形となるSUV勢は、それぞれの車両の個性を掘り起こすような意欲的なアプローチのカスタムが多かった。ギア感を強めるタフな装いを持つオフローダー系から、未来的な洗練さを強めたスタイリッシュ系、豪華キャビンに仕立てたラグジュアリー系まで、アプローチの幅は広がりを見せている。

 SUV勢のベース車両に関しては、定番として人気が高いのはトヨタ・ランドクルーザーやスズキ・ジムニー、トヨタRAV4など。2022年に発売されたトヨタ・クラウンクロスオーバーも、チラホラ確認することができた。

 そして見逃せないのが、スポーツモデル系の動向だ。今年の主役はニッサン・フェアレディZとトヨタ86/スバルBRZ。その潜在力を解き放つプログラムを注いだモデルを見つけることができる。特に2021年に発売された86とBRZは、開発の深度がさらに進んだと話すブランドも多かったのが印象的。しばらくは、この3モデルに定番のニッサンGT-Rを加えた4台を中心に動くだろう。

2022年に発売されたフェアレディZも、多くのカスタムカーが展示されていた。納車が進んでくれば、今以上にいろいろなアプローチのカスタムカーが登場するだろう。
東京オートサロン2023
ニッサンGT-Rの人気も不変。今回の東京オートサロンの日産自動車のブースでは、2024年モデルもお披露目されるなど、末永い活躍が見込まれる。
東京オートサロン2023
2021年に発売されたGR86/スバルBRZは、各ブランドのパーツ開発が進んだこともあって、注目を集めていた。

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