辺野古、弾薬庫が近くにあるけど「避難計画なし」 市民ら「事故起きたらどうする?」国「安全確保されている」 沖縄・名護

 【名護】市民団体「新基地建設問題を考える辺野古有志の会」と「ティダの会」は13日、沖縄防衛局の名護防衛事務所を訪れ、辺野古弾薬庫で事故が発生した際の周辺住民の安全確保などを求めた。防衛局としては事故発生を想定した避難訓練などの計画はないといい、市民からは「無責任だ」などと批判の声が上がった。防衛局は「米軍には、周辺住民への影響が生じないよう、機会あるごとに申し入れをしている」などと説明した。

 辺野古弾薬庫が国道329号の近くにあることへの懸念について、防衛局の担当者は「(米側が定めた危険区域を示す)ESQDの範囲外だ。弾薬庫周辺の安全は確保されている」と主張した。一方、米海兵隊による1980年代のマスタープランでは、国道などがESQD内に含まれていたことなどから、市民からは設定範囲そのものに対し疑念の声も上がった。

 市民らは2019年にも同様の申し入れをした。島袋文子さん(93)=市辺野古=は「まだ避難計画を作っていないのか。人の命に関わる問題だ」と声を震わせた。ティダの会の大城重吉共同代表は「危険な物が生活の近くにあるので対策を立てないといけない」と語った。

(長嶺晃太朗)

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