朝乃山7連勝、勝ち越し王手 大相撲初場所7日目

右四つの体勢から島津海を下し、7連勝した朝乃山(奥)=両国国技館(椎名哲平撮影)

 大相撲初場所7日目は14日、東京・両国国技館で行われ、元大関で西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=は西十両11枚目の島津海(しまづうみ)(26)=鹿児島県出身、放駒部屋=をすくい投げで下し、初日からの連勝を7に伸ばした。十両唯一の全勝を守り、勝ち越しに王手をかけた。

 朝乃山は得意の右四つから攻め急がずに右ですくって相手に土を付けた。危なげなく7連勝としたが、取組後のリモート取材で「一日一番、相撲を取り切るだけ」と気を引き締めた。

 8日目は、東十両10枚目の豪ノ山(ごうのやま)(24)=大阪府出身、武隈部屋=と戦う。

■得意の形で圧倒  朝乃山は、危なげない相撲で勝ち越しに王手をかけた。初顔を相手に得意の右四つの強さを見せつけ、圧巻の7連勝。それでも慢心は一切なく「勝ち越しが終わりではない。明日から切り替えていきたい」と先を見据えた。

 相撲協会の新型コロナウイルス対策ガイドライン違反による6場所出場停止処分を受けていた間、他の力士の映像を見て対策を練った。島津海についてはもろ差しを警戒していた。「しっかり踏み込んでまわしを取れば大丈夫と思って臨んだ」

 立ち合いで差し手争いを制して右四つの形をつくると、左上手を引きつけて土俵際まで寄った。残されたが、左へ振ると島津海はバランスを崩して土俵に落ちた。この取組で、土俵下で審判を務めた師匠・高砂親方(元関脇朝赤龍)に対し「勝ち姿を見せたい、恩返ししたい気持ちはあった」と語った。

 十両での勝ちっぱなしは元大関ただ1人。今後も白星を重ねれば幕内復帰への期待が高まる。無傷で勝ち越し、勢いそのままに優勝まで駆け抜けたい。 (岸弦太)

■優勝争い単独首位  十両は7日目の取組を終え、全勝は朝乃山。1敗で東4枚目の東白龍(玉ノ井部屋)、東5枚目の金峰山(木瀬部屋)の2人が追う展開となっている。

■千代獅子勝ち越し、三段目へ  県関係力士は西序二段筆頭の千代獅子(富山市出身、九重部屋)が4連勝で勝ち越しを決め、来場所での三段目昇進を確実にした。東三段目43枚目の坂林(高岡市出身、尾上部屋)と西三段目76枚目の飛騨野(高岡市出身、荒汐部屋)は黒星、東序二段16枚目の千代烈士(南砺市出身、九重部屋)は初日を出し、いずれも1勝3敗。東序二段89枚目の霧乃華(高岡市出身、陸奥部屋)は敗れ、2勝2敗となった。

島津海をすくい投げで下し、7連勝とした朝乃山(奥)
左上手をがっちりとつかみ攻める朝乃山(奥)
右四つの体勢で前に出る朝乃山(左)
「朝乃山」と歓声が上がる中、土俵入りで所作を行った
花道の奥で手を合わせながら気合を入れた
観客席には「剱・立山」の文字も見えた

© 株式会社北日本新聞社