いざ決戦!各地で共通テスト 「センター」世代の受験生も 新型コロナ、カンニング…会場は警戒態勢

受験者に問題用紙を配布する試験監督者=14日午前9時過ぎ、埼玉県さいたま市桜区の埼玉大学

 大学入学共通テストが14日、埼玉県さいたま市桜区の埼玉大学などで始まった。15日までが第1日程で、体調不良などで欠席すると、28、29日に設定された第2日程で追試験となる。試験会場では新型コロナウイルス対策に加え、昨年に東京大学(東京都文京区)前で受験生らが切り付けられた事件を受け警備が強化されたほか、新たなカンニング対策も実施。受験生らは「緊張せず、力を出したい」などと話し、決戦に臨んだ。

 埼玉大学には、午前8時15分の開門に合わせ、家族の車や路線バスなどで受験生らが会場に到着。受験生は入り口近くにある案内板を確認し、それぞれの教室に入った。

 今回が2度目の共通テスト受験となる上尾市の男性(19)は「浪人生なので、今までやってきたことを出し、完璧にやりたい」と意気込んだ。年末に家族がコロナに感染したが、自身は隔離して勉強に励んできたという。「昨年は緊張してうまく力が出せなかった。今年は勝手も分かっているので、緊張せずやりたい」

 「ずっと社会人として働いてきたが、また勉強して大学に入りたいと思った」。上尾市の男性(34)は医学部を目指して受験。10年以上前はセンター試験だったが、今回は大学入試共通テストで内容も異なる。「共通テストは、表現力や思考力などが問われ、ややこしい問題も多い。時間も厳しくなってくると思うので、配分に気を付けながらやりたい」と話した。

 同大学によると、同大学が管轄する6会場では、感染対策として各部屋に消毒液を設置し、換気も行った。また東京大学前で発生した切り付け事件を受け、警察に警戒の強化を要請。試験会場入口には警察車両と警察官が配置され、巡回などの警戒にも当たった。

 昨年の共通テストでは、試験中にスマートフォンで撮影した問題画像が外部に流出した。再発防止策として大学入試センターはカンニング対策を強化。試験監督の巡回を増やすよう各大学に要請し、注意事項を記載したリーフレットを作成して受験生へ配った。

 同センターによると、県内を受験地とした志願者数は昨年比647人減の2万7195人(男性1万5670人、女性1万1525人)。うち、今年高校を卒業見込みの現役志願者は2万3322人で、浪人などすでに卒業している志願者は3873人。

© 株式会社埼玉新聞社