インフレ率超える賃上げに政府意欲…厳しい中小企業、まずは大企業から底上げ方針を

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。1月6日(金)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、岸田首相が掲げる“インフレ率超える賃上げ”のニュースを取り上げました。

◆岸田首相がインフレ率を超える賃上げに意欲

岸田首相は、連合(日本労働組合総連合会)の新年交歓会に2年連続で出席。そこで改めてインフレ率を超える賃上げに意欲を示しました。

2022年度のインフレ率は平均予測で2.76%となっていますが、2023年度の賃上げに関する東京商工リサーチの調べによると、41.5%の企業が賃上げ率は「2~5%」、35.8%の企業が「2%未満」と回答しています。ただ、全企業の99.7%を占めている中小企業の場合、無理な賃上げを行うと経営悪化に直結するという不安もあります。

そうしたことも踏まえ、連合の芳野会長は最低賃金を上げることや非正規雇用労働者の処遇改善を求め、全体の底上げをしてほしいと語っています。

◆賃上げアピールはコメンテーターZにどう映った?

このニュースに対し、Fridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは「やはり大企業の声が大きく取り上げられている」と言い、「新聞などを見ても(賃上げを)やるという声は多く羅列されているが、実はごくわずかで、中小企業からしたら厳しいのが現状だと思うので、そこの声をしっかりと聞いてほしい」と望みます。

また、低迷している社会について「どう立ち直していくかが重要」とも。「改善して立ち直していくのか、現状のままで立ち直すと同じことの繰り返しになってしまう」と案じ、「海外に頼らずに国内でどう回していくのか、中小企業をどうすればより上手く回していけるようになるのか、しっかりと考えることが大事」と主張します。

一方、コラムニストの河崎環さんは「失われた20年、30年と言われ、経済が迷走するなか、日本は自分たちの強みをどんどん失ってしまった」と惜しみつつ、中小企業は体力がない、賃上げできるのは大企業だけという声に対し「それでいい。大企業だけでいいからとにかく賃上げの方向を守っていくことが大事」と自身の見解を示します。

なぜなら、日本は物価を含め安くなりすぎ、同時に全てがダウンサイジングされ、経済も国力もやせ細ってしまったから。まずは大企業だけでも痛みを伴いながらも賃上げのベースを構築してもらうことが重要で「大企業から底上げしていくという方針を堅持してほしい」と訴えます。

株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、賃上げに関し「世界的に産業構造が転換してきているなか、現状では稼ぎづらい産業もあれば伸びていく産業もある。その転換や人材をどう流動させていくかを一緒に考えていかないと、国全体としては豊かになりづらい」と危惧。その上で、今後の日本のキャッチコピーとして「明日に希望が持てる社会」と提言。日本社会発展の鍵として「成長感が感じられるかどうか」を挙げていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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