大学入学共通テスト2023、受験生の数学と理科の感触 平均点の中間発表と最終発表の日程

大学入学共通テストを終えて会場を後にする受験生=1月15日、福井県福井市の福井工大福井キャンパス

 大学入学共通テストは1月15日、全国で数学と理科が行われ、2日間の日程を終えた。福井県内の受験生は志望校合格への第一関門を越え、「やりきった」と一息ついた。この後に控える国公立大2次試験や私立大受験に早速照準を合わせ、「もう一踏ん張り」と気持ちを奮い立たせた。

 県内では福井大学、福井県立大学、福井工業大学の3大学5会場で行われた。数学、理科とも身近なテーマを題材にしたり、図表や実験結果を基に考察したりする設問が随所に盛り込まれた。各大学によると試験時間の遅れなど大きなトラブルはなかった。

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 数学は、多くの受験生から「前回よりは易しい」との声が聞かれた。ある教員は「出題パターンに変化はない。形式に慣れるために取り組んだ過去問や問題集の努力が生かされただろう」。数列は預金の利息を考える内容が出され、武生文系女子は「実生活に応用する問題は解いていて面白い」と話した。

 理科では、予防接種や風力発電といった題材が取り上げられた。基礎は物理、化学、生物、地学から2科目を選択する。藤島男子は友人と情報交換し「4科目とも変わった問題はなく、どの選択をしても差は出にくそう」。医学部志望の男子は「(理系向け科目の)化学は図表が多くて戸惑った」と振り返った。

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 国立大志望の羽水文系女子は昨年9月から毎日、日付が変わるまで勉強に励んだという。「手応えは各科目さまざまだけど、ほっとしている。今日はゆっくり休み、明日から再び机に向かう」と誓った。日程を終え、受験生の多くが安堵の表情を浮かべる中、「自己採点する勇気がない」とうつむく生徒もいた。

 新型コロナウイルスの流行「第8波」の中、各会場では徹底した感染対策を継続。昨年の共通テスト初日に東大前で発生した受験生らの刺傷事件を受け警備を充実させ、不正防止策も強化した。

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 全国の出願者のうち、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」を受けたのは68.6%の35万1743人。理科の専門4科目は41.9%の21万4767人だった。平均点の中間発表は18日、得点調整の有無の発表は20日、平均点の最終発表は2月6日の予定。

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