全国都道府県対抗女子駅伝 「長崎健闘」12位 諫早高勢が快走

第5中継所。長崎の5区田中(諫早高、右)から6区白石(ユニバーサルエンターテインメント)へ4位でたすきリレー=京都市

 第41回全国都道府県対抗女子駅伝大会は15日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着の9区間、42.195キロのコースで行われ、長崎は2時間19分57秒で12位と健闘した。大阪が2時間15分48秒で8年ぶり4度目の優勝を飾った。
 長崎は1区森智香子(積水化学、諫早高出身)が首位と33秒差の10位でスタートすると、2区蔦野萌々香(諫早高)が6人抜きの快走で4位に浮上。首位との差を16秒に詰めた。その後11位に後退したが、4区藤丸結(同)、5区田中咲蘭(同)もそろって区間4位で走り、再び4位で6区につないだ。以降は順位を下げて12位でゴールした。
 大阪は1区を4位で滑り出し、2区で先頭を奪った。終盤は東京、福岡、神奈川と激しい優勝争いを繰り広げ、3位でたすきを受けたアンカー松田瑞生(ダイハツ)の区間賞で首位奪還。2位に上がってきた京都に49秒差をつけてゴールした。

◎エース不在でも強さ証明
 入賞を逃してなお、強さを証明した。昨年5位の長崎は、1万メートルで日本歴代2位の記録を持つ廣中(日本郵政グループ)を欠く中で最終盤まで1桁順位をキープ。12位でのゴールとなったが、常に先頭の背中が見える位置でつないだヒロインたちに、釜元監督(長崎女高教)は「すごいという言葉以外、思いつかない」と感謝していた。
 昨年末の全国高校駅伝で12位に入った諫早高勢が、再び都大路で躍動した。10位でたすきを受けた2区蔦野は区間4位タイ、高校生トップタイの記録で6人抜きを達成。さらに4区藤丸と5区田中が計7人を抜き去ってレースの折り返し地点を4位で迎えると、テレビ実況も「長崎が健闘」と紹介した。田中が「ポジティブに気持ちよく走ることができた」と振り返る、まさに快走だった。
 高校生だけではない。実業団選手や大学生が他チームよりも少ない中、ふるさと選手2人はそろって区間上位で貢献。北原(十八親和銀行)は直前に足首の故障がありながらも、廣中不在の最長10キロの9区を引き受けた。中学生は貴重な経験を積み、これに大エースの廣中が加われば、長崎が2000年以来2度目の優勝を手にするのも夢ではない。
 6年ぶりに出場した白石(ユニバーサルエンターテインメント)は「この大会はモチベーションがひと味違う。また戻ってこれるように1年間、チームで頑張ってくる」と語った。故郷を背負って、力を尽くしたい。その思いが脈々と受け継がれているからこそ、長崎は常に強くあり続けている。


© 株式会社長崎新聞社