水道橋博士参院議員が辞職 残り任期5年半は5人の「ローテーション制」に れいわ山本太郎代表が説明 

れいわ新選組の水道橋博士参院議員(60)が16日、参議院議長宛に議員辞職願を提出し、承認された。同党の山本太郎代表(48)、共同代表の大石晃子衆院議員(45)が同日、国会内で会見し、発表した。2022年7月の参院選全国比例で初当選した博士氏は、同年11月に重度のうつ病を公表。10月末から議員活動を休職していた。

山本氏は、博士氏から複数回、辞職意思を伝えられたといい、慰留したものの「これまでは医師が決断を避けた方がいいとドクターストップがかかっていたが、本人が判断できる状況に病状が改善した。本人が一番強く望む形ということで辞職を受け入れた。今後は博士の才能や知見を生かし、党の仕事をしていただきたい」とし、まずは回復を待つとした。

博士氏の病状を公表し、国会議員が率先して気軽に休める社会をつくりたいと訴えていた山本氏は「精神的に不調を抱えた人に、無理を押してやれとは言えない。議員として実働はなかったかもしれないが、世間に対するメッセージを発することができたことに価値がある」とした。大阪市の松井一郎市長から名誉毀損(きそん)で提訴され、反スラップ訴訟の立法を公約に政界に挑戦した博士氏の姿勢に「権力に対して対峙(たいじ)することに逃げなかった」と評した。

博士氏の議員辞職に伴い、山本氏は「博士が残してくれた議席を有効に活用させていただく」として、1議席の残り約5年半の任期を5人で回していくとした。2022年の参院選全国比例で次点だった大島九州男氏(61)が繰り上がり、以後、長谷川羽衣子氏(41)、辻恵氏(74)、蓮池透氏(68)、依田花蓮氏(50)が1年ずつ参院議員を務める。

前代未聞の「ローテーション制」は批判も呼びそうだが、山本氏は「比例に投票した有権者の票を生かす試みをやっている」と強調した。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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