神奈川の2022年特殊詐欺統計 被害額が4年ぶりに増加

神奈川県警

 神奈川県警は16日、2022年に認知した特殊詐欺の統計(暫定値)を発表した。被害額が前年比約68%増となる約43億4700万円に達し、4年ぶりの増加に転じた。還付金詐欺は約2.6倍となる約9億6200万円と急増、おれおれ詐欺は2倍近く増加し約23億3400万円となり、この二つの手口で全体額の約75%を占めた。少年の摘発数が過去最多となり、県警は警戒を強めている。

 特殊詐欺の被害額は18年の約61億円以降、減少を続けていたが一昨年末ごろから増加傾向に転じ、22年は9月時点で前年の水準を超えた。県警捜査2課は還付金、おれおれ詐欺が増えた理由について「預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗がピーク時から減少する中、手口が移ったと考えられる」という。

 摘発されたのは243人で過去最多となった。匿名性の高い通信アプリで指示役から連絡を受ける「リモート型」が目立つ。末端の犯人を捕まえても指示役の逮捕に結びつかないケースが少なくない。被害者から直接現金を詐取する「受け子」は181人で、全体の約74%を占めた。一方、指示役や主犯は計6人だった。

 阻止件数は31%増の1431件で過去最多だったが、認知件数はこれを大きく上回る43%増の2089件で追いつかなかった。

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