「受け継ぐってことで、重みを感じている」約半世紀続く伝統の味を息子がつなぐ 心も体も温まる絶品鍋【愛情ごはん】

静岡県島田市にある料理店「磯藤」。店は2023年で45年目を迎えます。駿河湾などで獲れた新鮮な海の幸や海老が3本入った天重など和食を中心に楽しめる店です。

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店主の藤田幸助さん。2022年1月、お父さんからこの店を継ぎました。

店の名物「磯藤鍋」

<磯藤二代目 藤田幸助さん>

「(先代のころは)純粋な割烹料理、日本料理屋でした。僕は洋食も好きだったりとか、日本料理屋でなければいけないというものが無かったので自分の好きなようにやっているので『洋』の要素はだいぶ代替わりをして入ってきた。『とにかくお前の好きなようにやれ』と、先代が」

店の一番人気は、自家製バルサミコソースで仕上げたイベリコ豚ステーキです。また、ズッキーニ、鶏のささみ、梅肉、チーズなどで仕上げた春巻きなど、個性的なメニューも人気です。

幸助さんの父、先代の大助さんです。

<父 磯藤先代 藤田大助さん>

「幸助が継いでからの方が若いお客さんが増えた。自分が長い時間をかけてやってきた店とお客様を継いでくれるのは嬉しかった」

二代目の幸助さんはミュージシャンなど自分の夢を追いかけた時期もありましたが、東日本大震災のニュースを見て家族の大切さを改めて感じたと話します。

<磯藤二代目 藤田幸助さん>

「(店を継ぐのは)使命とは大げさだが、自分のやるべきことなのかなと」

幸助さんは36歳の時から9年間、父の大助さんの下で修業に励みました。そんな2人を目の前でずっと見てきた常連客の白石さんです。

<常連客 白石一雄さん>

「いいなあと思います。親から子へ、先輩から引き継いでいく過程を見ているので、ここのお店は美味しさを、このようにつないでいくんだなあというものがよくわかりますね。二代目は二代目で考えて色々なメニューを追加したりしてるので、何も疑わず来て頼んで食べれらるお店だと思います」

45年前のオープン当初から変わらずに続けているメニューがあります。店の名物「磯藤鍋」です。父の大助さんが考案した、たっぷりのかつお節と昆布で仕上げた特製の出汁をベースに、海老、カニ、カキ、ホタテなど海の幸を贅沢に使った海鮮鍋です。

<磯藤先代 藤田大助さん>

「磯藤鍋が一番人気があったと思います。お客さんを増やしてくれたし、僕らもそこそこの暮らしができるようになったし、磯藤鍋がヒットしたから今があると思います」

<磯藤二代目 藤田幸助さん>

「割りが野菜の量とかいろんなものが入ってその割り。具とスープのバランス。それが絶妙だと思います。今はもう100点の鍋なので101点、102点にするのは大変だが、そこはずっと追求したいと思います。父親が大事に大事にしてきたものなので、受け継ぐってことでは重みを感じています」

父から子へ、味の継承。幸助さんは日々研究を重ねています。

<磯藤二代目 藤田幸助さん>

「最近、鮭の白子を入れてるだけんさ、すごく評判いい」

<磯藤先代 藤田大助さん>

「お〜美味しいよな」

親子の愛がたっぷり詰まったほかほかの磯藤鍋。心も体も温まります。

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