朝乃山、無傷の9連勝 大相撲初場所9日目

北の若を寄り切りで下し9連勝とした朝乃山(左)=両国国技館

 大相撲初場所9日目は16日、東京・両国国技館であり、元大関で西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=は、西十両8枚目の北(きた)の若(わか)(22)=山形県出身、八角部屋=を寄り切りで下し、初日からの連勝を9に伸ばした。

 朝乃山は右を差すと、攻め急がずにじっくりと前に出続け、相手を土俵の外に追いやった。取組後のリモート取材で「良い踏み込みができた」とうなずいた。

 10日目は、突き押しを得意とする東十両4枚目でここまで7勝2敗の東白龍(とうはくりゅう)(26)=東京都出身、玉ノ井部屋=と戦う。

■「前に行けた」  前に出続けた。負けなしで迎えた後半戦。朝乃山は左上手が取れずとも、身長190センチの北の若を難なく仕留めた。「相手は自分より上背がある。まわしを取られたら厄介だと思ったので、しっかり踏み込んで前に行けた」と手応えをにじませた。

 右胸で当たり、すかさず右をねじ込んだ。左上手を許したものの、そのまま前進。左に回る相手に対し、足を止めることなく寄り切った。土俵際では相手の強引な投げにも一切動じず、「しっかり腰を割れた」と淡々と振り返った。

 初日からの9連勝は、大関として初土俵を踏んだ2020年の7月場所以来となる自己最多タイ。それでも「連勝は意識していない」と表情を緩めることはなかった。

 この日の十両土俵入りでは、17年5月に十両初昇進に合わせて東京富山県人会連合会から贈られた化粧まわしを着けた。初日から中日までは朝乃山富山後援会の化粧まわしを身に着けており、「東京富山県人会連合会にも、復活まで支えてもらった」。後半戦も前に出る相撲で、多くの人に恩返しの勝ち星を届ける。(岸弦太)

■連勝の千代獅子は黒星  郷土力士は東三段目3枚目の富豊(高岡市出身、時津風部屋)が黒星で3勝2敗、東三段目43枚目の坂林(高岡市出身、尾上部屋)は敗れて1勝4敗。西三段目56枚目の常川(南砺市出身、荒汐部屋)は白星で3勝2敗。西三段目76枚目の飛騨野は負けて1勝4敗となった。

 4連勝だった西序二段筆頭の千代獅子(富山市出身、九重部屋)は敗れ、4勝1敗。東序二段4枚目の旭水野(朝日町出身、大島部屋)は負けて1勝4敗。東序二段89枚目の霧乃華(高岡市出身、陸奥部屋)は勝って3勝2敗とした。

白銀の立山連峰の化粧まわしを着けて土俵入りした
北の若を下し連勝街道をひた走る朝乃山(左)
たまり席に朝乃山タオルが見える中、集中した表情で塩をまいた

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