首都高と東北道どうつなぐ…さいたまで検討会 見沼田んぼがルートの可能性 農業、景観「慎重に配慮を」

東西結ぶ高速道、環境配慮必要の意見

 核都市広域幹線道路(埼玉新都心線~東北道付近)地元検討会(委員長・久保田尚埼玉大大学院教授)の初会合が16日、さいたま市役所で開かれた。渋滞緩和を目的に県内の東西を結ぶ高速道の整備計画を検討する。見沼田んぼがルートになる可能性が高いことから、委員を務める専門家から「環境、農業、景観への配慮、生態系への影響調査が必要」などの意見が出た。

 同会の事務局は、関東地方整備局大宮国道事務所、埼玉県、さいたま市。圏央道以南地域の慢性的な渋滞解消を目的に、首都高速埼玉新都心線見沼インターチェンジ(IC)から東北道(浦和IC―岩槻IC間)付近を結ぶ高速道を優先し、概略計画を進めることを目的に設立された。直線距離で5~6キロ、多車線の高速道で、見沼田んぼがルートになる可能性が高いという。

 委員は行政側のほかに、埼玉大大学院理工学研究科生命科学部門の日原由香子教授、同環境科学・社会基盤部門の深堀清隆准教授ら。深堀准教授は「見沼田んぼの農業、景観について慎重に配慮してほしい」。日原教授は「生態系にどういう影響があるのか調べてほしい」と意見を述べた。

 事務局は新年度に地元住民のアンケートを行う方針。検討会での意見を踏まえ、見沼田んぼで活動している市民団体などとも個別に意見交換を検討する。今年2、3月には市役所などでパネル展を開き、ホームページで市民への情報提供を実施。意見聴取を進めて、複数のルート帯案を検討、提示するとしている。

 大宮国道事務所が立ち上げた県東西軸道路検討会が2021年12月、同区間を優先して概略計画の検討を進めると決定していた。

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