輸出用や高級果物にも...イチゴ向けパッケージ用途広がる 栃木の岸印刷

さまざまなバリエーションを用意したギフト用パッケージ「パック・ザ・パック」

 印刷会社の岸印刷(栃木市泉町、岸久裕(きしひさひろ)社長)が高級イチゴ向けに開発したギフト用パッケージ「Pack the Pack(パック・ザ・パック)」が、イチゴ以外の高級果物に使われたり、輸出用に導入されたりと用途を広げている。

 パック・ザ・パックは2015年に商品化した。シックなデザインで、色や大きさはある程度、自由に対応できる。独自の切り込みを入れたウレタン材で果実を固定しているため、箱を立てても中の果実に傷が付かないのが特徴で、都内の高級フルーツ店で採用されている。

 評判が伝わり、那須町や佐野市産のブルーベリー、栃木市産のミニトマト、青森県産のサクランボやシャインマスカットなど、県内外でパッケージとして使われるようになったという。

 輸出用に使うことを決めたのは、茨城県桜川市の真壁高農業・環境緑地科。同パックを使って2月、台湾で開かれる見本市にイチゴを出品する。昨年10月、別の一般的な箱を使ってマレーシアにシャインマスカットを輸出した際、いかに高く買ってもらうかが課題になったため、同パックに着目した。

 実習講師の川又洋友(かわまたひろとも)さん(46)は「高価格のものを国内で数多く売るのは難しい。海外に販路を広げるには、パッケージに多少お金がかかっても高級感の演出が重要」と説明する。

 需要拡大が期待される中、岸社長は「大切なものを大切に包んで、大切な心も届ける。輸出に使われることで可能性がさらに広まる」と話している。

岸印刷のイチゴを詰めた「パック・ザ・パック」
岸印刷のイチゴを詰めた「パック・ザ・パック」

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