【新型コロナ】インフルより後遺症リスク高い 名工大ら

 新型コロナウイルスに感染すると、季節性インフルエンザに感染した場合と比べ、発熱などの主症状がおさまったあとも呼吸困難や味覚嗅覚障害などの「後遺症」が残る確率が高いことが分かった。名古屋工業大学らの研究グループが発表した。

呼吸困難は約8倍、味覚嗅覚障害が約6倍

 名古屋工業大学の平田晃正教授らの研究グループは、レセプト(医療機関から保険支払機関に提出される診療報酬明細書)の記録をもとに、季節性インフルエンザで医療機関を受診した人(2019年1月から3月)と、新型コロナウイルスの第6波(2021年1月から3月)で医療機関を受診した人の症状の推移について比較した。

 その結果、発熱などの主症状がおさまったあとも悩まされる「後遺症」について、新型コロナウイルスにかかった人の方が発症する確率が高いことが分かった。特に呼吸困難(約8倍)、味覚嗅覚障害(約6倍)、倦怠感(約3.6倍)については格差が大きい結果となっている。なお同じ研究グループの別の発表では、新型コロナウイルスの各流行期の比較では、直近になるにつれ後遺症の発症割合が減少していることも分かっている。

 研究報告は内閣府の「COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクト」のホームページで詳細を確認できる。

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