護衛艦「いなづま」事故 海上自衛隊トップ「防衛力の抜本的強化への取り組みに水を差す結果となり反省」

山口県沖で航行不能となった海上自衛隊の護衛艦「いなづま」の事故について、浜田靖一防衛大臣や海上自衛隊のトップが陳謝しました。

「いなづま」は今月10日、広島県の因島で点検を終えて試験運転中に、山口県の周防大島沖で航行不能となりました。

浜田靖一 防衛大臣 「国民の皆様にご心配かけ、誠に申し訳なく思っています。今回の事故を受け、海上自衛隊は護衛艦隊各艦の運航関係者に対し、同種事案の教訓・反省を周知させ、各指揮官による安全確認をすみやかに実施するよう指示しました」

また、海上自衛隊のトップは…。

酒井良 海上幕僚長 「防衛力の抜本的強化への、防衛省、自衛隊への取り組みに水を差す結果となり深く反省しています。船体を損傷させるとともに、油を流出させるなど国民の皆さまにご心配をおかけしたことを重く受け止めております」

酒井 海上幕僚長は、いなづまは「浅瀬に乗り上げた可能性が高い」と述べました。

、事故の原因については、「現段階でエンジン、舵、レーダーなど装備機器の故障は確認されておらず、天候の要因はない」ということで、「いなづま」での運航面にあった可能性が高いという認識を示しました。

海上自衛隊に設置した事故調査委員会で、海上保安庁の捜査に支障のない範囲で、関係者への聞き取り、事故当時の配置の確認などを進めていて、事故原因の究明と再発防止に努めるとしています。

現在「いなづま」は、ジャパン・マリンユナイテッド因島事業所に入っていて、今後詳しい損傷状況の調査などが行われます。

事故をめぐって海上保安庁は、業務上過失往来危険の疑いもあるとみて調べています。

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