沖縄署襲撃騒動を主導か、暴力団員を逮捕 容疑で沖縄県警 SNSで参集呼び掛け 失明の高校生とは面識なし

 2022年1月27日深夜から翌未明にかけて、沖縄県沖縄市山里の沖縄署周辺に数百人の若者らが詰め掛け、一部の若者らが投石などで庁舎のガラスや警察車両を破損させた襲撃騒動で、県警は17日、若者らに参集や襲撃を呼び掛けたとして、暴力行為法違反(集団的器物損壊)の容疑で暴力団員の20代の男を逮捕した。襲撃騒動を巡っては、高校生を含む16~19歳=当時=の少年7人が22年11月、同容疑で書類送検された。
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 関係者によると、署の周辺に集まった若者の多くは10代の少年で、SNSのライブ配信などを見て、本島全域から約400人が集まった。男は少年らを介し、交流サイト(SNS)で「沖縄署で卵戦争」などと、署に結集する投稿を呼び掛けた。襲撃騒動の様子をSNSでライブ配信させるなどし、襲撃を助長させる主導的な立場だったとみられている。
 逮捕前、琉球新報の取材に暴力団員の男は「SNSで仲間と沖縄署に関するやりとりなどはしたが、破壊行為や命令はしていない」と容疑を否認していた。
 襲撃騒動は昨年1月、沖縄市宮里の路上で沖縄署に勤務していた30代の男性巡査とバイクで走行中の男子高校生(17)=当時=が接触し、高校生が右目を失明する重傷を負った事案が起因とされる。巡査は11月、特別公務員暴行陵虐致傷容疑で書類送検された。県警によると、重傷を負った高校生は暴力団員の男と面識はないという。
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