医師が気づかず診察中の音声をアプリで生配信 埼玉鴻巣市

 埼玉県鴻巣市の病院の医師が、自身が気づかないまま私有のスマートフォンアプリで、診察中の音声を長時間生配信してしまったことが外部からの指摘で発覚した。医師は責任を感じ依願退職したという。

気づかずに90分以上生配信、個人情報も漏えい

 ミスで個人情報を含む診察での会話の様子を生配信してしまったのは、こうのす共生病院(埼玉県鴻巣市)の医師。病院の発表によると、今月7日午後1時過ぎから午後2時56分まで、救急外来や発熱外来の診察時の会話の様子などが、配信アプリ「ツィキャス」で生配信されてしまっていた。外部の指摘で発覚し、病院で原因について調査を行っていたという。

 調査の結果、生配信が原因で計8名の患者氏名などの個人情報が漏えいしたことが分かった。ミスで配信してしまった医師の話では、休憩時間中にアプリを起動したまま眠ってしまい、そのことを忘れたまま、スマートフォンをポケットに入れた状態で午後の診療を行ったのが原因だという。病院としては故意を認めるのは困難だが、個人情報流出の責任は重いとして出勤停止2ヵ月の処分を行った。医師は深く反省しており、責任をとるため依願退職した。

 病院では個人情報が流出した人には個別に謝罪しており、今後は再発防止策を徹底するとしている。

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