平戸海関の活躍に沸く平戸 「地元の後押しで勝ち越しを」応援の輪広がる

平戸海関への応援メッセージを書き込む児童=平戸市ふれあいセンター

 大相撲初場所。幕内力士、平戸海関(22)=境川部屋、本名・坂口雄貴さん=の出身地、長崎県平戸では道路沿いに、しこ名入りの旗やのぼりがはためく。公共施設などに張られた星取表に一喜一憂する市民も多い。17日の10日目を終え、7勝3敗。「地元の後押しで勝ち越しを」と応援にも力が入る。

◎後援会 

相撲のぼり旗を掲げ、応援ムードを盛り上げる平戸海後援会員=平戸市紐差町

 平戸海後援会(西川克己会長)は昨秋、同市紐差町の国道沿いにのぼり掲揚台を新設。初場所初日の8日早朝、坂尾廣毅幹事長ら約10人が、色鮮やかな相撲のぼり旗4枚を掲げた。小学1年生から中学生まで相撲を指導した坂尾さんは「幕内2場所目の九州場所(10勝5敗)のようにはいかないだろうが、何とか勝ち越して」と最初の“師匠”として期待を込める。
 ホームページ(HP)も開設し成績を報告。入会申し込みと寄付も受け付けており、返礼品にしこ名入りタオルなどを贈っている。

◎まちづくり運営協 

 平戸海関が生まれた紐差地区。市民団体の紐差小校区まちづくり運営協議会(まち協)は6日、のぼり掲揚台そばなど3カ所に番付や後援会HPを紹介する手作りのポスター(縦約1.2メートル、幅2.2メートル)を掲示した。廣田耕太郎事務局長は「先頭に立って応援する」と意気込む。

手製のポスターを作製し、掲示した紐差小校区まちづくり運営協議会スタッフ=平戸市紐差町

◎市立図書館 

 市内の図書館では相撲専門誌が並ぶ関連書籍コーナーを作り、星取表も掲示して応援ムードを盛り上げる。平戸海関が小中学校時代に利用した市ふれあいセンター内にある永田記念図書館では、入り口にまち協がつくった等身大パネルを設置した。
 2021年秋から、来館者が応援メッセージを書き込めるコーナーも設けた。20~30人分ずつ冊子にして届けており、既に7冊目。14日は約25人の児童が訪れ「けがをしないで頑張って」「優勝して」と、先輩にエールを送る。センターに併設する中部公民館の森本克彦館長は星取表更新を担当。「白星は書き込みも楽しい。平戸の宝。応援できるのはうれしい」と話す。
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 平戸海関は小学1年生のとき、地元の紐差相撲クラブで相撲を始めた。16年、市立中部中卒業後、境川部屋に入門。境川親方(元小結両国、長崎市出身)、武隈親方(元大関豪栄道)の下で稽古を重ねる。帰省時の取材では「平戸の名を全国に広げたい」と古里振興への思いも発信している。


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