【厚労省中医協】令和6年度診療報酬(調剤報酬)改定、「医療計画」「医療DX」を検討事項に

【2023.01.18配信】厚生労働省は1月18日に「中央社会保険医療協議会 総会(第536回)」を開催し、「令和6年度診療報酬改定に向けた検討の進め方について」の案を提示した。「医療計画」や「医療DX」などを検討事項に挙げた。これらは詳細な議論に入る前の4月・5月で総会で取り上げるスケジュールを示した。委員から大きな異論はなく、了承された。

事務局が示した 「令和 6 年度診療報酬改定に向けた検討の進め方について(案)」は以下の通り。

背景として、診療・介護・障害のトリプル改定であることを挙げた。「令和 6 年度の診療報酬改定に向けては、下記の人口動態や社会情勢の変化や医療提供体制改革等を踏まえ、検討を進めることとしてはどうか」と記載。

具体的な背景としては以下を列挙。
・令和 6 年度の診療報酬改定は、ポスト 2025 年も見据えた介護報酬及び障害福祉サービス等報酬との同時改定であること
・2025 年に向けて地域医療構想の取組を進めるとともに、さらに医療介護総合確保促進会議で「ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿」がとりまとめられること
・感染症法・医療法改正により新たに追加された「新興感染症への対応」を含む5疾病6事業等の見直しを行う第8次医療計画が令和6年度か
ら開始になること
・医師の働き方改革として 2024 年 4 月に労働時間上限規制等、改正労働基準法および改正医療法が施行すること
・医療 DX の実現に向けて、医療 DX 推進本部等において議論が進められていること
・革新的な医薬品や医療ニーズの高い医薬品の日本への早期上市や医薬品の安定的な供給を図る観点から、「医薬品の迅速・安定供給実現に向け
た総合対策に関する有識者検討会」において、流通、薬価制度、産業構造の検証など幅広く議論し、とりまとめが行われること
・プログラム医療機器(SaMD)の評価体系を検証し、今後のあり方について検討が求められていること

その上で、「検討項目と検討の場」については、「令和4年度の診療報酬改定の検証などは、例年通り検証部会などを中心に検討を行いつつ、新たな検討項目等を含めたそれぞれの検討項目を、下記の通り、検討の場で議論することとしてはどうか」とし、下表を提示した。

▲検討項目と検討の場

スケジュールについては、「上記の検討事項および検討の場に関して、特に例年とは異なる検討事項については下記の通りに検討してはどうか」とした。
○ 令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(仮)は、総-8-2の通り、令和5年3月頃より数回程度開催することとしてはどうか。
○ 中医協総会において、まずは第8次医療計画、医師の働き方改革、医療 DX について、その後、入院、外来、在宅、歯科、調剤、感染症、個別事項等についてを、4月頃から夏頃までに、広く意見交換を行うこととしてはどうか。
○ また、SaMD ワーキンググループについては、保険医療材料等専門組織の下に設置次第、検討を開始することとしてはどうか。
○ その後に、秋頃より、個別具体的な改定項目について、議論を深めることとしてはどうか。

なお、スケジュールの参考として下表を提示した。

▲令和6年度診療報酬改定に向けた中医協等の検討スケジュール(案)

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