福島県富岡町で、動物たちと10年暮らし続けた男のドキュメント 「ナオト、いまもひとりっきり」公開決定

原発事故による全町避難で無人地帯となった福島県富岡町に、たったひとりで住み続ける男と残された多くの動物たちとの暮らしを、温かなまなざしで見つめたドキュメンタリー映画「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」が、2023年2月25日より劇場公開されることが決まった。

原発事故後、福島県富岡町で残った動物たちを世話し続けるナオトさんを追った「ナオトひとりっきり」(2015)。「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」では、新たな命が生まれ消えていく中で、変わらず動物たちにエサをやる日々を過ごしているナオトさんの姿が捉えられている。将来の糧のために、ニワトリを飼い、蜜蜂を育て始めたナオトさん。富岡は帰還できる町となったが、若い人たちは戻らない。コロナ禍で開催されたオリンピックでは、「復興五輪」のPRとして、誰もいない福島の風景の中を聖火リレーが走り過ぎたのだった。

詩人の谷川俊太郎さん、元内閣総理大臣の菅直人さんのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■谷川俊太郎(詩人)
感動しました、巨大な事実を小さな事実を通して長年個人的に追うことで、現実にひそむ真実が見えてきます。人間も他の生き物と同じ限られたいのちを生きていることを感じさせるドキュメントです

■菅直人(元内閣総理大臣)
福島原発事故で、本当に日本の半分が、あるいは全部が壊滅してもおかしくない寸前だった。そのような非常に厳しい環境の中で動物の世話しながら暮らすナオトさんの勇気に感服し、動物たちや自然をけがしてしまった人間の罪深さを改めて感じた。

【作品情報】
劇場版 ナオト、いまもひとりっきり
2023年2月25日(土)シアターイメージフォーラムにて公開
製作・配給:Omphalos Pictures, Siglo
配給・宣伝協力:ALFAZBET

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