新長崎駅ビル テナント交渉「順調」JR九州 古宮社長 新幹線開業効果の持続に意欲

新長崎駅ビルのテナント貸しを「順調」と説明する古宮社長=福岡市内

 JR九州の古宮洋二社長は長崎新聞などの新年インタビューで、今秋開業予定の新長崎駅ビルのテナント交渉について「順調」と明かし、西九州新幹線開業効果の持続につなげる意欲を見せた。県や佐世保市から短縮を求められた佐世保線特急の所要時間については、改善の可能性を模索し続ける考えを示した。
 新駅ビルは13階建て。1~4階と5階の一部が商業エリアで、既存駅ビルのアミュプラザ長崎とデッキで接続し、双方の回遊性を確保する。5~6階はオフィスエリアで、5階に屋上テラスを設ける。7~13階には外資系高級ホテル「長崎マリオットホテル」(約200室)が来年初頭に開業予定。
 古宮社長は、商業、オフィスのいずれのエリアもテナント交渉が順調とした上で、「駅に降りた時、最初の『顔』となる場所。地元の企業などから店を出したい、事務所を出したいとの声が出ている」と手応えを話した。
 昨年3月の長崎駅高架下商業施設「長崎街道かもめ市場」、同9月の西九州新幹線に続く開業「第3弾」と位置付け、「引き続き長崎、佐賀エリアににぎわいをつくっていく」と言葉に力を込めた。そのためにも利用状況が好調な新幹線について「観光でのリピーター獲得はもちろん、買い物や通勤などの日常使いも促進していく必要がある」と述べた。
 佐世保線のうち県がレール改良など高速化事業を進めた区間は、新幹線開業に伴うダイヤ改正発表(同6月)で特急の平均所要時間が増加し、県や市から不満が出た。改善要請を受け同社は、同9月の改正時に一部の便を時間短縮。さらに今年3月のダイヤ改正でも短縮する便を増やす。
 一連の経過について古宮社長は「単線区間のダイヤ作成は一番難しい」と説明。「もう少し改善したいが、西九州新幹線や九州新幹線鹿児島ルートなど九州全体にも影響する。全体を調整して、佐世保線特急の時間をもっと短くできないか模索したい」と語った。


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