【名護】道路沿いで買い求めた夏の風物詩「アイスクリン」の固定店舗となるテイクアウト店「アイスクリン&パーラー kafuu(かふう)」が名護市城の名護十字路近くに誕生した。店主の上間利奈さん(46)と娘の杏奈さん(26)は、1975年創業のアイスクリンの「懐かしの味を気軽に楽しんでほしい」と笑顔を見せる。
アイスクリンは移動販売を中心とするアイス販売店で、工場は今帰仁村にある。幹線道路沿いにパラソルを立てて販売し、県民や観光客らに親しまれてきた。
名護市東江出身の利奈さんは那覇市の商業施設などに勤務していたが、退職後、地元で専業主婦をしていた。昨秋、名護十字路近くで飲食店を経営する妹から「隣の店舗が空いたので何か店をやらないか」と持ちかけられ、慣れ親しんだアイスクリンに相談して出店を決めた。
内装は業者に頼まず、家族を中心に約1カ月で仕上げ、11月26日に開業。本部町のカフェ「アイスクリンカフェ アーク」の姉妹店として本島2店舗目の路面店となった。専門学校で広報担当者として働いていた杏奈さんがポップ付きのメニュー表などを手作りした。
利奈さんは「路上販売で不定期営業が多く、いつでも食べられるわけではないアイスクリンのおいしさをたくさんの人に知ってほしい」と周知活動に意欲を見せる。
メニューにはホットサンドやスープも。カフェ巡りが趣味だという杏奈さんのアイデアで、カウンターの上にアイスクリンのフレーバーを手書きした看板を設置した。
定番の「バニラ」のほか、「ベニイモ」「シークヮーサー」「グアバ」など県産品を使った10種類のアイスクリンをそろえる。コーンも店で焼き上げている。シングルは200円、ダブルは300円など。
12日に娘を連れてアイスクリンを買い求めに来た女性は「高校生の頃、アルバイトもさせてもらった懐かしい味。いつでも買いに来られる店ができてうれしい」と話した。
(松堂秀樹)