ダースレイダー(ラッパー)×プチ鹿島(時事芸人)監督作品『劇場版 センキョナンデス』、推薦コメント到着! 1月17日開催LOFT9 Shibuyaでの完成披露試写会の模様もレポート!

ダースレイダー(ラッパー)とプチ鹿島(時事芸人)が初監督したドキュメンタリー映画『劇場版 センキョナンデス』が、2月18日(土)より渋谷シネクイント、ポレポレ東中野ほか全国の劇場で順次ロードショーとなる。

その『劇場版 センキョナンデス』の完成披露試写会が1月17日(火)LOFT9 SHIBUYAにて行なわれ、監督を務めたプチ鹿島、プロデューサーの大島新と前田亜紀が登壇した。 この日、有料の一般客とマスコミも含めて150名以上が来場し、満席となった会場から大きな拍手を受けて登場したプチ鹿島監督は、開口一番「正直、どんな感じでしたかね? 物が投げられてこないから…(ひとまずは面白く観ていただけた?)」と発言すると、場内は大きな笑いに包まれた。

大島プロデューサーは「本作は映像素材だけで60~70時間近くあった。『ヒルカラナンデス』の過去の放送回を見返す必要もあり、そこは素材との格闘という感じだった」と振り返る。また、「(安倍元首相銃撃事件が起きた)2022年7月8日の様子が記録として残ったのは、とても大きな意義があることだと思う。劇場公開するものとしては初めてになるはず。映画を見ていると、あの日、自分がどう思っていたかを思い出します」と映画後半のターニングポイントとなるシーンについて語った。

トーク半ばでは、コロナ陽性が判明したため登壇はできなかったダースレイダー監督もオンラインで一部参加。「天の声」さながら、この日が本邦初のお披露目となる各界著名人からの推薦コメントを読み上げると、まるで結婚式の祝辞のように、一つ一つのコメントに対して場内から盛大な拍手が起こった。

後半では会場の観客からの質問も受付。音楽の使われ方について「演出的な意図があるのでは?」問われたダースレイダー監督は、「本来、自分も極力、音楽はないほうが良いと思っていた。ただ、本作の場合はあえて取材中の僕たちの気持ちや(心象)風景にあわせて音が主張する作りにしたほうが良いと思った。その意味では音楽をフラットに扱うという作り方はしておらず、主観的なものになっています」と答えた。 「制作するのに膨大な手間と時間がかかるドキュメンタリー映画を作るモチベーションは?」という質問に対して、大島プロデューサーは「今回の作品に関しては、お二人に惚れ込んでお手伝いをしたかった。最初、映画化の相談をしてくれたときは『よくぞ自分に声をかけてくれた!』と嬉しかった。(映画がヒットせず)タダ働きになってしまうと困るんだけど…」と不安を口にしつつも率直な喜びを語った。

『カレーライスを一から作る』では監督も務めた前田プロデューサーは「閉鎖的になりがちなドキュメンタリー界に、(門外漢であるダースさんや鹿島さんのように)才能ある色々な人たちに入ってきてほしい。掻き回して、競技人口を増やしたい」と語った。プチ鹿島監督は「僕らの映画を通じて、たとえば僕らの(選挙取材の)師匠でもある畠山理仁さんのような、本当のプロフェッショナルの仕事を知ってほしい」と話した。

この日は、実際に畠山理仁氏も観客として来場されており、最後の質問として氏から「選挙の現場を楽しく観るコツを教えてほしい」という質問がされると場内は大盛り上がり。プチ鹿島監督が「選挙の争点はメディアに教えてもらうものではなく、一人一人の中にある」と答えれば、ダースレイダー監督は「見慣れた場所が変わって見えてくること。大人になってからついつい小走りになって(現場に向かって)しまうことなんてない」と語り、個人が少しでも積極的に選挙を楽しもうとする姿勢があれば、日本全国どこでも争点は存在し、祭囃子が聞こえてくる可能性を伝え、1時間半以上にも及んだトークイベントを締めくくった。

推薦コメント続々到着!(※あいうえお順・敬称略)

いとうせいこう(作家など)

超面白い選挙ドキュメンタリー! 「報道」が強固に統制されて見える時代に、彼ら愉快で誠実な二人組こそが、日本政治の難点を「報せる道」の上にいる。

中江有里(女優・作家)

選挙は「フェス」だったのか!現場はこんなに熱かったのか! 選挙の表と裏にぐいぐい突っ込み、奥の世界まで見せてしまう、大胆不敵な問題作が誕生した。

能町みね子(エッセイスト)

情報が流れすぎる世の中で、忘れずに見続けていくことが大事だと強く感じる。無茶を承知で言えば、年に1本作ってほしい。ぜひドキュメンタリー界の釣りバカ日誌に!

畠山理仁(フリーランスライター)

「上品な野次馬」ほど恐ろしいものはない。選挙の現場を笑顔で歩く2人は、ときにジャーナリストよりも鋭い質問を投げかける。こんなに賢い有権者が増えれば、もはや「偽者」は当選できない。選挙はあなたが主役のお祭りだ。

原一男(映画監督)

アポなし突撃インタビューといえばマイケル・ムーアが著名だが、これは本家のおもしろさをも凌ぐ、猪突猛進、融通無碍、自由自在、千変万化、波瀾万丈、そのジャーナリズム精神を爆発させるパワーが見せ場のアドベンチャー・ドキュメンタリーである。必見!

町山智浩(映画評論家)

なんと! 『香川1区』よりも果敢に平井陣営に食い込んでいる! 食らいついたら離さないプチ鹿島は指ハブか? それに、取材ツアー中に安倍元総理が暗殺され、それを知った瞬間の辻元清美議員の表情に彼女の真実が見えます。本当にいい人なんだなあ。

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