「植物のテーマパーク」12月開業へ 切り花や造園まで 鹿沼のいわい生花

いわい生花の「いわいフラワービレッジ」の完成予想図

 色とりどりのカスミソウの開発販売を手がけるいわい生花(鹿沼市下横町、岩井正明(いわいまさあき)社長)は、鹿沼市千渡に植物の新たな複合施設「いわいFlower Village(フラワービレッジ)」の整備に乗り出す。店舗をはじめ、ガラス張りの生育施設や展示ガーデン、花束加工場を併設する予定で、12月のオープンを目指す。オリジナルのカスミソウを中心とした切り花から造園までを取りそろえる「植物のテーマパーク」にしたい考えだ。

 同社は2020年、本社を置く総本店を改修。切り花など多くの商品を展示し、代表的な商品であるカスミソウを着色した「ロマンチックかすみ草」を飾った高さ約3.5メートルの展示タワーも設置した。

 新型コロナウイルス禍が続く中、「タワーを見たい」というファンが西日本や東北などからも来店するようになった。ただ、写真撮影などを終えると時間を持て余していたという。

 岩井社長は、遠方から来店した人も長時間過ごせる場をつくろうと発案。切り花をメインにした鉢物など植物全般を展示販売し、栽培などに関する相談に乗ったり、教室を開いたりできる複合施設を計画した。

 整備に向け、新たに土地を取得した。敷地面積は約3730平方メートル。2階建ての店舗(延べ床面積約580平方メートル)で切り花などを販売し、店内には切り花などで彩る展示斜面「お花畑の丘」を記念撮影スポットとして設ける。

 店舗の両側にはガーデニング棟を計2棟つくるほか、定植したサクラやシラカバなどの樹木を販売する。施工サービスや樹木管理のノウハウなども提供するため、造園業者と提携した。

 敷地内には花束加工場(床面積約920平方メートル)も新設し、県内50店舗向けに出荷する。全国のキッチンカーを週替わりで並べ、飲食ができるようにする。

 岩井社長は「これまで切り花は生花店、庭園は造園業と区切られていたが、融合させることで、お客さまの利便性を追求した。さまざまな方が交流できる拠点にしたい」と話している。

いわい生花の「いわいフラワービレッジ」の完成予想図
いわい生花の「いわいフラワービレッジ」の施設のイメージ
店舗内の展示斜面「お花畑の丘」のイメージ。記念写真撮影を楽しめる
「お花畑の丘」のイメージ。記念写真撮影を楽しめる。
いわい生花の「いわいフラワービレッジ」のガーデニング棟のイメージ

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