「トイレや食事の時間削って出動」も…1週間で“救急搬送困難”88件 感染急拡大で疲弊する救急の現場

新型コロナウイルスの感染急拡大の影響で、静岡県内の救急の現場は休む暇がありません。浜松市消防局では、2022年の年末から激務の状態が続いているといいます。

<浜松市消防局警防課 上野康文消防司令長>

「隊員も日夜問わず出動しているわけだが、当然トイレに行く時間や食事をとる時間も削って出動しているのが現状」

2022年12月には、東京都内で救急隊員の居眠り運転が原因とみられる救急車の横転事故が起きるなど、感染急拡大による救急現場のひっ迫が問題となっています。

浜松市消防局では、患者を運ぶ医療機関が迅速に確保できない「救急搬送困難事案」が1月9日から15日の1週間だけで88件発生。これは2022年の同じ時期と比べて5倍以上の数字で、隣の静岡県磐田市や中には愛知県内の病院に運ぶケースもあるといいます。

<上野消防司令長>

「救急隊員も疲弊しているが、それ以上に傷病者のをすぐに病院に連れて行ってあげられないというところが非常に危惧している」

消防では、すべての患者に必要な医療が行き届くよう、もし、救急車を呼ぶ場合は、総務省の救急受診ガイドラインなどを参考にしてほしいと呼びかけています。

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